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平成28年熊本地震

平成28年熊本地震

 平成28年4月14日夜、熊本県益城町で震度7を観測する地震がありました。被災なさった方々には、お見舞い申し上げます。

 私どもの会社は危機管理の会社なので、今回の地震に関して気になった点をいくつかご指摘し、未来の防災、減災に活かしていただきたいと考えております。

 まず、率直な感想としましては、2011年に起きた東日本大震災から5年たってから発生した熊本地震なのにもかかわらず、過去の教訓が活かされていないということです。

 地震の直後、被災地をレポートするために、すべてのテレビ局が中継を始めました。その中の映像で、不思議な光景が目に入ってきました。不安に思った住民が益城町役場に避難し、外で毛布に包まり、不安な夜をすごしていました。その理由は、役場が倒壊する可能性があるから、建物から離れたところに避難しているということでした。ということは、この町役場は耐震構造ではないということなのでしょう。さらに、益城町には余震に耐えられる建物がなく、避難場所にも指定されていなかったということだと考えられます。

 もちろん、地震が起きているときに絶対安全が保障される場所はありません。でも、映像で見る限り、行政側の準備不足。住民の準備不足が見て取れました。

 日本は天災列島です。それゆえに自分が住んでいるところで災害が発生するか、しないかではなく、各自が災害対策をしっかり行い、災害時に自分が困ることがないように準備を整えることが最重要なのではないでしょうか。

 益城町役場からのレポートで、「紙おむつ、生理用品などがまだ届いていないようです」とレポーターの方が言っていました。それは、阪神淡路大震災のときも困ったことですし、東日本大震災のときも困ったことです。なのにもかかわらず、備蓄されていないのは、準備不足としかいえません。

 みなさん、そろそろ自分のために困らない準備を始めませんか。過去の犠牲者や被災者の方々が困ったことから学びませんか。次の被災は私かもしれないし、あなたかもしれないのです。ぜひ、大きな仕組みや自治体への働きかけではなく、身近な準備から始めましょう。

2016.04.15