対応型の事故・トラブル
事故・トラブルは再発防止型の事故・トラブルと対応型の事故・トラブルに分類することができます。
再発防止型の事故・トラブルとは再発を防止することができる事故・トラブルであるため、事故・トラブルが発生した場合、今後同じような事故・トラブルが起きないための取組が求められます。
例えば、園庭で鬼ごっこをしている時に、鬼から逃げていた園児がすべり台の階段から落ちて骨折してしまう事故が発生した場合、同じ事故を防ぐために園児が夢中になりやすい鬼ごっこの際には、転落の可能性があるすべり台を使用してはいけないというお約束を作る場合が、再発防止型の事故・トラブルです。(このようなお約束を作らなければいけないというわけではありません。)
対応型の事故・トラブルとは再発を防止することができない事故・トラブルです。そのため、事後的に適切な対応が求められます。
対応型の事故・トラブルに園児に対する職員のわいせつ行為があります。園児に対する職員のわいせつ行為は、残念ながら職員個人の性癖が原因であり園として事前に防ぐことも、再発を防止することも困難です。そのため、園児に対する職員のわいせつ行為が発覚した場合、発覚後の適切な対応が求められます。
わいせつ行為が発覚した場合と言いましたが、わいせつ行為が発覚したことを認めること事態が困難であるようです。自分達の園でそんなことが起きるわけがないという思い込みや、あの職員に限ってそんなことをするはずがないという思い込みから、保護者や職員からわいせつ行為の指摘があってもなかなかわいせつ行為が起きたことを園として認めないのです。
園児に対するわいせつ行為の際にもっとも最悪な対応は事実を隠蔽することです。そのため、わいせつ行為があったと指摘された場合とにもかくにも事実確認をする必要があります。その際に大切なことは、わいせつ行為があったという指摘を100%真実であることを前提に事実確認をすることです。ここで、私達の園でそんなことが起きるはずがないと思って事実確認をしてしまうと、事実確認が中途半端になってしまい、その結果園内で起きたわいせつ行為を見逃してしまいます。そして、園よりも先に警察が動き出してしまう事例が多数あります。
事実確認の結果、わいせつ行為が事実であることが確定したら、被害園児とその保護者に対する謝罪が必要になります。そして、被害園児の保護者のご意向を確認したうえで、他の保護者への説明を求められるのであれば、保護者会を開催したうえで全保護者に事実報告と謝罪が必要になります。そして、行政に報告する必要もあります。また、わいせつ行為をした職員の処分も決めなければなりません。
事実確認の結果、わいせつ行為の事実がなかった場合はその旨を指摘者に伝える必要があります。
対応型の事故・トラブルは事故・トラブルを事前に防ぐことは困難です。そのため、せめて事後の対応を間違えないようにすることが園児や保護者に対する誠意であり、園を守ることにつながるのです。