事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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アイギスの近況

アイギスの入会金制度

アイギスの入会金制度

 今年度よりアイギスでは、新規に危機対応サービスにご加入になられる方には、入会金をいただくことに致しました。すでにご加入の会員の方が一度退会なさって、再度、加入なさる場合も入会金をいただくことにいたしました。本日はその理由をご説明いたします。

 保険用語に「アフロス」という言葉があります。正式には「アフター・ロス契約」といい、事故発生後に締結された保険契約のことを指します。契約者または被保険者が悪意的(保険事故の発生した事実を知っている)に行った場合は、商法上、契約は無効となります。

 なぜ、保険制度は、このような処置を取らなければならないのでしょうか。それは、アフロス契約(100%支払が確定している保険契約)ばかりになると、相互扶助制度である保険という制度自体が破綻してしまうからです。

 相互扶助制度の下では、全体にかかる費用を制度に加入する全員が負担し、一人ひとりの負担を軽くするという仕組みが働いています。例えば、自動車保険の場合、1年間無事故だったら保険料だけ支払うだけになります。一方、万が一、事故が起きた場合は保険料以上の保険金を手にすることができます。制度に加入した全員は、「もしかしたら事故が起きるかもしれない。そのときのために、保険料を払って、将来の損害をヘッジしておこう。」という考えで相互扶助制度を利用しています。

 それと同様にアイギスの危機対応サービスも相互扶助制度の形態を取っていますので、本来ならば、事故が発生してからの加入は認めていません。しかしながら、「園で園児が死亡した」「近隣住民から保育園建設の反対運動が起こった」「どうしても園では対応できない保護者がいるので、どうにかして欲しい」ということが発生してから、アイギスに連絡をいただく場合もあります。

 このときに、「あなたの園は会員ではないから、その相談は受けられません」ということもせっかく頼って来てくださったのに気の毒です。そこで、すでに加入してくださっている会員のみなさまにご迷惑をおかけしないために入会金制度を設けました。

 本来ならば、すでに起きた事故の対応には、最低でも100万円はかかります。それがなるべく低額で済むためにも相互扶助制度の仕組みを取り入れています。相互扶助制度を健全に運営していくためには、アフロス契約をしようとする契約者(バッドリスク)を排除することも重要です。私どもとしては、なるべくバッドリスクの排除は行いたくないので、事故が起こる前の会員登録と有効期限が切れる前の更新手続きへのご協力をよろしくお願い申し上げます。

2016.07.04