研修には「種」をもらえるものと「実」をもらえるものがある
私どもの会社には、研修講師が2名います。昨年から講師2名体制になりましたので、おかげさまで会社として研修をお受けする本数が年間200本前後になっています。本当にみなさまのおかげだと思います。ありがとうございます。
さて、本日は研修依頼のお礼ではなく、研修のやり方というか効能みたいな話をしたいと思います。
タイトルにも書きましたが、研修には、「種」をもらえるタイプのものと「実」をもらえるタイプのものがあります。危機管理をテーマとした研修にもその2つが存在しています。そして、それは講師のタイプと言い換えてもいいと思います。
危機管理研修(講師)の場合、圧倒的に「実」を与えるタイプの方が多いと思います。「実」を与えるタイプの危機管理研修とは、「Aの場合は、aの対応をしてください」「Bの事故防止にはbの行動をしてください」というゲームのボタン操作を教えるような研修です。
このタイプの研修参加者は満足度が非常に高くなります。その理由は、「答えをもらえた」と思い込むからです。そして、それに満足して保育現場で実践しないか、実践したとしても、教えてもらったボタンを押す場面が非常に限られているため、「結局、使えないじゃん!」と思って、そのボタンすら押さなくなってしまいます。
一方、「種」をもらえる研修(アイギスの研修はこちらのタイプです)は、考え方ややり方、事故のどこを見るべきかというような見方などを教えます。つまり、これが種なのですが、この種をもらった人は、帰って保育現場に植えなければなりません。そして、毎日水をやったり、世話しないといけません。そうしているうちに、花が咲いて、実がなります。
このタイプの研修参加者は、満足度がそんなに高くなりません。ときには、「受けなければよかった」「時間のムダだった」と落胆して帰る方々もいます。
私どもも10年もの長きにわたり、事故が起きた保育現場に行って、いろいろな経験をしています。だから、「実」を与える研修もやろうと思えばできます。しかし、それをやらないのは、危機管理とは「実学」(実際に役に立つ学問)でなければならないし、結局、その人が変わらなければ安全という結果は手に入らないと強く思っているからです。
そういうわけで今年もせっせと保育現場に安全の「種」をまこうと思います。ぜひ、どこかの研修会場で聞いてくださった保育現場で働く方は、水をやってください。アイギスの切なる願いです。
今、一番情熱を込めて巻いている「種」は勉強会です。この勉強会については、来週のブログでお話いたします。