事件
保育施設と虐待問題
3月22日、宮崎市内の認可保育園で30代の男性保育士がはさみで「陰部を切る」などと園児を脅し、体罰をしていた問題で保育士は「指導の一環で必要と思えば、げんこつや平手打ちしていた」と市の調査に答え、数年前から体罰を繰り返していたことが判明しました。また、はさみのほかにホチキスでも威圧しており、市は一連の問題行為を虐待と認定しました。
最近、保育園での職員の虐待問題は、しばしばマスメディアを騒がせています。虐待問題には2つポイントがあります。1つは、職員が意図的に行う虐待で、これは園でどうすることもできません。事前の対応としては、マニュアルの整備と研修を実施しておくくらいでしょう。もう1つは、認識のズレによるものです。今回の宮崎市の事例がこのケースにあたります。おそらく当該園では、虐待の意識はなく、指導の延長線上での行為だったと考えられます。しかし、最終的には宮崎市の行政が虐待と判断し、この判断が客観性に基づく判断とされているのです。
「特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準」の第五条では、使用者に重要事項を記した文書を交付して説明しなければならいと義務付け、その内容を定めた同基準の第二十条十項では、虐待の防止のための措置に関する事項が規程されています。ここでの虐待には職員から園児に対する虐待の禁止も含まれます。平成27年4月1日より園児の虐待に関しては、より厳しいルールが設定されたわけです。保育施設はより一層、職員の虐待問題への対策を強化しなければならないのです。