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事件

保育士、1歳児を洗濯機内に立たせる

保育士、1歳児を洗濯機内に立たせる

 三重県名張市の私立保育園で1月26日午後5時ごろ、50代の女性保育士が1歳7カ月(当時)の女児を停止中の洗濯機の水槽内に立たせ、一時的にその場を立ち去る不適切な行為があった。運営する社会福祉法人や園などへの取材でわかった。女児が泣いたため、保育士が戻って抱き上げ、女児にけがはなかった。この間およそ1分だという。

 洗濯機は保育室と間仕切り柵を隔てた沐浴室にあり、当時水槽内に水はなかった。女性保育士は「女児が柵を越えてしまう行動を制止するため、とっさにやってしまった」と説明したという。問題の行為を見た別の保育士から当日のうちに上司に報告があり、園長が2月1日に保護者に謝罪。2月下旬には保護者会を開いて説明をした。女性保育士は保育業務から外したという。

 社会福祉法人は「事態の深刻さを真摯に受け止める。職員の資質の向上に努め、再発防止に取り組む」としている。(朝日新聞デジタル 4月9日 一部加工)

 最近、保育士の不適切な行為(虐待)に関するニュースを頻繁に目にするようになりましたし、実際に弊社に相談として寄せられる件数も増えております。実体としては、保育士の言動がはっきり虐待と認定されるケースはほとんどありません。

 この事例のケースでも言えると思いますが、保育現場で適切だと考えて行われている言動が周囲からみると不適切だと判断されてしまうのです。

 このような現象が起こってしまう要因は「ズレ」によるものです。保育士の言動が不適切な行為と判断された場合は、間違いなく保育士側の言動がズレているのです。

 対応策としては、どのような言動が不適切なものに見えるのかを施設の中で話し合い、不適切コードのようなものを作成し、全職員で共有し、職員同士で注意し合えるような体制を構築しておく必要があると思います。

2016.04.09