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不適切会計処理 保育園元園長ら刑事告発 東大阪

不適切会計処理 保育園元園長ら刑事告発 東大阪

 東大阪市の社会福祉法人が運営する保育園で不適切な会計処理があった問題で、市は27日、元園長(58)と妻の元副園長(57)を業務上横領容疑で大阪府警川内署に刑事告発したと発表した。告発は26日付。

 市によると、不適切な会計処理は2006~15年の間、架空の職員給与(4039万円)や修繕実績のない園舎の修繕費(1939万円)など計1億1125万円に上る。

 市長は「誠に遺憾。保育が適切になされていたかも疑問だ。きっちり指導、監査していく」と話した。(毎日新聞4月27日)

 私どもの会社にも事例のような案件への対応依頼がしばしばあります。もちろん、園側からの行政やマスコミへの対応に関するアドバイス依頼です。通常、このような場合、行政は園の理事会に横領をした人物を警察へ告発するように指導します。しかし、この事例では、市が告発しています。このことより、行政がこの法人に対し、放っては置けないよほどの事情があったのではないかと推測されます。

 今後は、このように行政が直接的かつはっきりと指導するケースが多くなってくるのではないかと思います。保育施設は、保育園、認定こども園、小規模保育事業所など多岐にわたり、運営主体も社会福祉法人だけでなく、株式会社やNPO法人と様々なプレイヤーが存在します。このような状況下で保育の質を最低レベル以上に保つのは行政監査です。その点では、市長のコメントにある「保育が適切になされていたかも疑問だ。」という発言は明らかに不適切でしょう。保育が適切になされていることは、行政監査で確認しなければならないことだと考えられるからです。

2016.04.29