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事件

元ベビーシッターの被告に懲役26年 2歳男児殺害で横浜地裁

元ベビーシッターの被告に懲役26年 2歳男児殺害で横浜地裁

 埼玉県富士見市のマンションで平成26年3月、預かっていた横浜市の男児(当時2)を窒息死させたとして、殺人罪などに問われた元ベビーシッター(28)の裁判員裁判の判決公判が20日、横浜地裁で開かれ、裁判長は「強固な殺意を持ち男児の鼻や口をふさいだ」として、懲役26年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。

 裁判長は司法解剖した医師の証言などから「体重100キロ超の被告が、強固な殺意をもって鼻や口を少なくとも3~5分間、手でふさいだ悪質な犯行」と認定。「殺人の動機は不明だが、男児にわいせつな行為をしており、強い非難に値する」と述べた。

 その上で「殺人に計画性がなかったことなどを考慮すれば、無期懲役は重すぎる」とした。

 一緒に預けられた当時9カ月の弟に対する保護責任者遺棄致傷罪の成立も認め、兄弟や他の子ども約20人の衣服を脱がせて撮影したとする児童買春・ポルノ禁止法違反の罪などについては「シッターの立場を悪用しており陰湿」とした。

 判決によると、平成26年3月、自宅兼保育室として使っていたマンションの一室で男児を殺害した上、弟にミルクを与えず重度の低血糖症にさせるなどした。(2016年7月20日 産経新聞)

 平成26年の事件の第1審がようやく終わりました。判決は懲役26年。私の想像していたものよりも重い判決でした。しかし、これが子どもを預かるという仕事の重さを表しているのでしょう。

 7月23日の毎日新聞には、保育所などに入れなくても待機児童に数えない「隠れ待機児童」は5万801人に上り、前年より5903人(13%)増加したという記事で出ています。

 このような状況を改善しようと行政は保育所の整備に力を入れておりますが、杉並区では公園に保育所を建設しようとしたところ、計画段階で地域住民の反対運動が起こり、現在は暗礁に乗り上げております。

 いずれにしましても待機児童の問題を解消するために保育施設も多様化し、玉石混合の状態はますます進んでいますし、これからも進んでいくでしょう。大切なわが子を預けた先が玉石の玉であれば、問題ないのですが、石だった場合は問題です。そして、自分の子どもを預けた施設が石だとわかるのは、自分の子どもが何らかの犠牲になってからです。それが最悪の場合、シッター事件のような結末になります。

 保育を必要としている保護者が、どのような保育形態の施設でも安心して預けることができるような仕組み作りを早急にするべきだと考えます。行政はどの施設を利用者が選んだとしても安全に関しては保障するようにしなければなりませんし、施設は最低限の安全対策は施すべきです。そして、利用者は保育施設を選別する目を養うべきだと思います。施設を選ぶ保護者にも責任はあるということを忘れないでください。

2016.08.05