これが未来型になると考えられます
閉鎖保育園の民間事業者募集
八尾市は8日、来年4月に市立山本南保育所が近くの市立認定こども園に移行することに伴い、来年度から同保育所施設を活用した幼保連携型認定こども園が保育所を運営する民間事業者の募集を始めた。市内の認定こども園が園職員の男による強制わいせつ事件に絡み来年度以降休園する見通しで、市が在園児への保育保障や待機児童の解消を目指す。
問題の園は、0~5歳児の計209人(10月1日現在)が利用しているが、事件を機に多数の保育教諭が退職を希望し基準を満たせず、来年度以降は休園する見通し。
このため市は10月、保護者への説明会を開催。閉鎖予定だった山本南保育所を活用し、民間事業者による運営を提案。在園児は、新たな希望先と受け入れ先が合致しなくても、山本南保育所での入所は保障するという。(2018年11月8日 産経新聞)
八尾市のケースは、不祥事を起こして運営不能になった園の代わりに、近くの廃園予定の園をハードとして利用し、ソフトをどこかの民間事業者に委託するという方法です。
これからは、重大な事故や不祥事を起こした運営会社を排除し、新たな運営会社に変更するという方法が一般化するのではないでしょうか。
これまでの私立認可保育所は、死亡事故を起こし、そこに園や職員の過失があったとしても、何もなかったかのように運営は続けられます。つまり、行政上のペナルティをいえるものは、ほとんどありません。行政側としても、ペナルティよりも待機児童の解消を優先事項にしています。
事故を起こした後に、保育の内容が劇的に改善するわけではありません。そして、改善しているかどうかという確認を行政が責任もってしているわけでもありません。
安全や不祥事には、運営者の姿勢がそのまま反映されます。「鯛は頭から腐る」といいますが、実際の施設でもトップから腐り、それが組織に蔓延するわけです。一度腐った頭が元に戻るということは、なかなかありません。だから、頭を代えるのがもっとも有効なのです。
そういった点では、八尾市の事例は、注目すべきケースだと思います。事故や不祥事は起きないことが一番ですが、起きた場合には、根本的な治療をしなければなりません。
保育の質の向上には、保育市場から退場しなければならない事業者の方々も一定数いると考えられます。運営者を選びなおすことによって、質は少しづつ向上すると思います。
運営者の向上、保育者の向上が保育の質の向上につながると思います。八尾市が新たに選定する事業者がすばらしい保育を実現することを心より願っております。