川崎でまた子どもが犠牲者に
川崎・登戸殺傷 児童ら18人襲われ小6女児と男性死亡
28日午前7時45分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上でスクールバスを待っていた小学生らに男が近づき、刃物で次々と刺した。小学生16人と近くにいた成人2人の計18人が襲われ、小学6年生の女児と別の小学校の保護者とみられる30代男性の計2人が死亡。40代女性1人、小学生女児2人の計3人が重傷を負った。110番で駆けつけた神奈川県警の警察官が、刺したとみられる男を確保。男は自分の首を刺しており、搬送先の病院で死亡が確認された。現場の状況から通り魔事件の可能性があり、県警は殺人の疑いで捜査している。
今月8日に大津で発生した交通事故による死亡事故と同様に、この事件も避けることができないことによって子どもが犠牲になりました。
ここのところ、日常に潜んでいて、かつ、避けることができない事故や事件が顕在化し、子どもが犠牲になっているように思います。交通事故も不審者による殺傷事件も地震などの災害も、われわれの日常生活に常に潜むリスクです。
それらがふとしたことで顕在化し、犠牲者が出て、その結果をわれわれは目の当たりにします。そして、そのときからある一定期間だけ意識が高まり、「お散歩はどうしよう」「園バスに不審者が近づいてきたらどうしよう」という気持ちで不安になります。
しかし、その感覚は長続きせず、日常に戻り、潜在リスクと隣り合わせだけれども、事故や事件は顕在化していない安全に見える日々が続きます。そして、また、同じような事故が顕在化し、ある一定期間だけ意識が高まるという無意味な循環の繰り返しになります。
今は、行政も含めて、園児のお散歩コースやスクールバスの待機場所の安全確保に躍起になっていますが、おそらく今回も一過性のブームに終始するでしょう。
本来ならば、大津や登戸のような惨事が発生したときには、それを教訓とし、ブームではなく文化にしなければならないのです。
まもなく6月8日がやってきます。この日は、2001年は池田小無差別殺傷事件、2008年は秋葉原無差別殺傷事件が発生した日です。秋葉原の事件でつかまった犯人は、池田小の事件が発生した日に合わせて事件を起こしたと供述しています。
今年は、6月8日は土曜日です。模倣犯は全国どこにでも潜んでいる可能性があります。みなさんも6月8日の園行事や外出には十分気をつけてください。そして、その警戒心は6月8日に関わらず毎日必要なものだと心に刻んでください。
すべては、事故や事件の犠牲者の命を無駄にしないために必要なことなのです。