事故
強風による事故は繰り返される
3月30日午後2時10分ごろ、神奈川県小田原市久野の公園内にあるレジャー施設で、空気を入れて膨らませて使う滑り台が強風にあおられて横転しました。この事故で1歳から12歳までの子供6人を含む75歳までの男女11人がけがを負い、病院に運ばれましたが、いずれも擦り傷や打撲などの軽傷だったそうです。市消防局によると、滑り台は12日から公園に設置されており、ゴム製で、高さ5メートル、空気を抜いた状態の重さは約300キロ、約20キロの土嚢(どのう)袋10個で固定されていたとのことです。(後に土囊は、8個しか固定していなかったと判明しました)事故当時は監視員がいましたが、横浜地方気象台によると、小田原市内は30日、強風注意報が発令されており、午後2時過ぎに10.8メートルの強風が吹いていました。この時期の強風事故で思い出されるのは、4年前の平成24年3月19日に起きた埼玉県東松山市の足場倒壊保育園児下敷きの死亡事故です。マンション改修中の足場が崩れて保育園児たちは被害に遭いました。私立保育園の園児22人で保育士2人に付き添われての歩行中の事故でした。その結果、男児(当時6歳)2人が下敷きになり1名が重傷、1名が死亡しました。足場は高さ約10メートルで、外壁の張り替え工事用に設置されていましたが事故当時、作業員はいませんでした。 当時も市内には強風注意報が発令されていた。他の災害情報(台風、洪水、大雨、津波等)よりも見落としがちなものが強風注意報だと思います。園外保育に出かけるときは、「雨が降らないかな?天気予報を確認しよう」と考えるかもしれませんが、「今日は強風かな?強風注意報でてないかな」とはなかなか考えないかもしれません。ましてや強風で足場が倒れてくるなんて思ってもみないでしょう。今回のゴム製滑り台横転事故の時もまさか横転するなんて・・・と思われた関係者の方がいるかもしれません。ですが、実際に強風による事故は後を立ちません。過去にはたくさんの強風による事故で負傷した人、命を落とした人がいます。4年前犠牲になった保育園児は、春にはランドセルをしょって小学校に通うはずでした。園児さんたちの命は、保育現場で働くみなさまに託されています。過去の事例から、みなさまの園で過ごす園児さんたちが同じ悲しい目にあわないように学んでいくことが、園児さんたちの命を守ることにつながっていくと思います。