事故・トラブル最前線

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事故

すべり台強風横転事故の施設またも事故が・・・

すべり台強風横転事故の施設またも事故が・・・

 9日午後0時45分ごろ、神奈川県小田原市久野の施設で、電動遊具のSL型列車「なかよし号」(3両編成)の先頭車両の前輪2輪が脱線しました。2、3両目の客車(定員36人)は家族連れなどでほぼ満席だったが、けが人はなかったとのことです。同施設では3月30日、空気で膨らませる滑り台が風で倒れて子どもら13人がけがをしています。

 同じ施設で立て続けに事故が起きているということは問題です。事故が起きていることそのものも問題ですが、もっと重要なことは、本来事故が起きた施設では危機意識が向上している段階で、すべての遊具の点検や業務の見直しなどが徹底的に行われなくてはいけません。この施設では、9日朝に車体と線路の安全点検をした際には、異常はなかったということです。

 しかし、前回の事故から二週間も立たずにまた次の事故となるとこの施設に対しての世間の目は厳しくなり、不信感しか持たれません。事故が立て続けに起こる施設で自分の子どもを遊ばせたいと思う親は少ないのではないかと思います。

 これは保育施設で事故が立て続けに起きたら同じようなことが言えると思います。

 今回の事故については、これから原因調査が始まるようなのでなんとも言えませんが、滑り台事故は、これまで起きてきた強風事故のことを踏まえると予見できた事故だと分析できます。そして、強風が吹いたためすべり台の使用を中止にしようとした矢先の事故ということは、判断の遅れも原因として考えられます。すべての事故が予見できるわけではないですが、すべり台の事故が予見できた事故で防ぐことができていて、SL型列車の事故が予見できない事故だったのであれば、世間の目も違ってくるのではないかと思います。どんなに気をつけていても起こってしまう事故はあります。しかし、予見できる事故は、予見できるわけですから事故を防ぐための対策をとることは可能だと思います。

 

 

2016.04.11