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保育施設で事故死14件

保育施設で事故死14件

 厚生労働省は18日、全国の保育施設で2015年の1年間に14件の死亡事故があったと発表した。

 睡眠中の事故は10件に上り、うち6件は「うつぶせ寝」の状態で発見された。

 従来の認可保育所と認可外保育所に加え、認定こども園や小規模保育事業も対象とした調査で、同年の死亡事故は前年より3件少なく、2年連続減少。内訳は認可外保育所が10件、認可保育所が2件、こども園と小規模保育が各1件だった。

 年齢別では、0歳が7件、1歳が5件、2歳と3歳が各1件。事故の状況は、睡眠中が10件、食事中が1件、その他が3件だった。死因は、原因不明・調査中が8件、乳幼児突然死症候群(SIDS)と病死が各2件、窒息と溺死が各1件。(読売新聞 4月19日)

 厚生労働省が発表した2015年のデータでは、年齢別が0、1歳児が12件で全体の85.7%。事故の状況は、睡眠中が10件で71.4%、それ以外は窒息(おそらく食事中の誤嚥だと推測します)、そして溺死となっています。

 このデータから読み取れる問題点は、死亡事故が0、1歳に集中していること。そして、その原因のほとんどが睡眠中に集中し、その他は誤嚥、溺死となっていることです。この傾向は、毎年ほぼ変わりません。実は、それが最大の問題点だと言えます。同じ傾向で死亡事故が発生していることを、保育現場で働いている職員が知識として持っているだけでも事故の発生率は低下すると思います。

 しかし、さまざまな形態の保育施設が存在している今、その情報を周知徹底することだけでも困難になっています。事故事例を現場に周知させる仕組みや、保育士の養成校のカリキュラムの見直しなどを図っていくことが、事態を改善する有効策だと弊社では考えています。

2016.04.23