事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

事故

早速、水の事故が各地で起こっています。

早速、水の事故が各地で起こっています。

 今年、東京の5月の夏日(最高気温が25度以上の日)は5日となり、5月上旬としては記録が残る明治9年以降で5番目に多いそうです。東京だけに限らず、全国の夏日も突出して多く、冬から続く高温は衰える気配がない日本列島。そうなってくるとやはり涼をもとめて川や海、プールに行きたくなるのが人間です。

そんな5月に続々と水の事故のニュースが飛び込んできています。

5月14日、福岡県の八女市で、川に転落し、行方がわからなくなっていた小学校1年生の女児(6)は、15日午前7時45分ごろ、転落現場から100メートルほど下流で、死亡しているのが発見された。

5月15日午前8時50分ごろ、倉敷市の30代の母親から、「子どもを車の中で待たせている間にいなくなった」と、110番通報があった。警察官が駆けつけたが、およそ1時間後に、倉敷東小学校のプールに、男の子があおむけに浮いているのが見つかり、死亡が確認された。プールは、災害時のために、水を入れてあったが、施錠してあり、警察は、男の子がフェンスをよじのぼるなどして、中に入り、誤ってプールに落ちたとみて、くわしい原因を調べている。(両記事ともにFNN Fuji News Network)

 前回のブログの中でも触れた、毎年同様の死亡事故が起きている中で、「保育現場の死亡事後原因第2位の水の事故」がいうまでもなく、保育施設だけでなく様々なところで今年もたくさん起こってしまうことでしょう。保育施設の危機管理の仕事をしていると未就学児死亡のニュースが飛び込んでくると「会社に相談の電話が入ってくるかもしれない」と身構えます。普段もそうですが、水の事故が毎年これでもかというくらい起きているので、この時期はとくに敏感になるのかもしれません。

〇過去の保育施設での水の事故を数例あげてみました。

2014年7月30日京都府の認可保育所で男児(4)が屋上プールの水遊び中に水中に沈んでいるのを保育士が発見、一週間 後、低酸素脳症で死亡。

2011年7月11日神奈川県大和市の私立幼稚園で、室内の常設プール(直径約4.75メートル、水深約20㎝)で水遊びをしていた男児(3)が、うつぶせで浮いているのを女性教諭が発見した。男児は心肺停止状態で市内の病院に搬送されたが、水を多量に飲んでおり、間もなく死亡した。

保育施設の中でも外でも毎年水の事故は起こっているわけですから、言い方は悪いですが毎年教材としての事例がでてきます。明日は我が身だと、明日は自分が働く保育施設で事故が起こるかも知れない、だからそうならないためにも他の施設での事例を知り、検証し、対策を講じていこうとみなさまには思っていただきたいです。今からやれば7月のプール開きには間に合うのではないでしょうか。

 以前、私の子どもが浴室で足を滑らせて湯船に仰向けに倒れてしまったことがありました。見ていたのに一瞬のことで防ぐことができませんでした、すぐに抱き抱えて事なきを得ましたが・・・。その時思ったことがありました。その時、子どもは仰向けで自分に何が起きたのかわからずに目を見開いていました。きっと保育施設で溺れて亡くなった子どもたちもこんなかんじだったのかもしれないと。上記2事例とも職員が目で子どもたちを追っていれば、例え溺れそうになっていても足を滑らせてもすぐに助けることができたと思います。

 他の施設で事故が起きていて、犠牲になっている子どもたちはたくさんいます。もうこれ以上犠牲をださなくても学べる事例は山のようにあると思います。暑い日はすでに水遊びをしている施設もあるかもしれません、梅雨が明けたらプール開き、季節柄の保育のカリキュラム、新たな保育が始まるときは一緒に危機意識もあげていきましょう。本格的なプール開きが始まる前に警鐘を鳴らすという意味で5月でしたが水の事故について書いてみました。

2016.05.15