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事故

「羽田空港で起きた大韓航空機火災事故」に翻弄されたみなさま

「羽田空港で起きた大韓航空機火災事故」に翻弄されたみなさま

5月27日午後12時38分頃、羽田空港滑走路走行中の大韓航空機の左エンジンより火が出ました。消防が消火にあたり、火は小河2時すぎに消し止められました。この飛行機には乗客302人、乗員17人、合わせて319人が乗っていましたが、全員シューターを使って緊急脱出し、空港が用意したバスでの国際線のターミナルに向かいました。(yahoo newsより引用)

 よく羽田空港でトラブルがあると飛行機の欠航や遅延のため空港で人がごった返しているという光景をテレビのニュースで大変そうだな、今日出張でなくてよかったなと他人事のように見ていました。まさか、27日自分がその混乱の中に巻きこまれることになるとは思ってもおりませんでした。危機管理の会社として、そのような考えではダメなことなのですが・・・。

 28日に福岡で仕事があり、事故当時もう滑走路に進入する寸前の機内の中にいました。いざ滑走路に進入となったときに乗客やキャビンアテンダントが慌てだしました。私の席からは何が起こっているのか確認できず、モヤモヤしていたら機長から「隣の他社の飛行機から火がでています。滑走路閉鎖となりましたのでこれから一時間ほど機内でお待ちいただくことになります。」というアナウンスが流れました。移動のために同乗していたキャビンアテンダントも乗客のフォローにまわっていました。

 各航空会社はマニュアル通り動くのだろうなと観察するのが楽しかったです。結局私が乗っていた飛行機は欠航になり、そのあとの17時までの飛行機もすべて欠航になりました。17時以降の飛行機の運航の目途が立っていないというのが航空会社の案内でした。機内から降りると航空会社の受付カウンターには人がごった返していました。「振替便はどうなるのか、払い戻しはどうなるのか」などという問い合わせのためでしょう。しかし欠航になったときの振替便や払い戻しについてはチケットを予約する際にHPなどに乗っています。ということは、長蛇の列を出して受付カウンターに並んでいるのは大変不効率だと思いました。

 地上係員の人は必死に「現在17時の便まで欠航が決まっており、17時以降の便の運航目処も立っておりません、受付カウンターにお並びいただいても振替便のご予約はできかねます、本日チケットの払い戻し希望の方のみお並びください」とアナウンスしていました。私はどうしたのかというと機内で飛べるか飛べないかわからない状態の時にネットで夜の便と念ために次の日の朝の便を予約しました。すぐに満席になりましたが。結果、その日の22時に福岡空港に着きました。

 人生は決断の連続です。決断してきた結果が今の自分なのだと思います。そして「決断」でもっとも難しいのは有事のときだと思います。有事の時、まずアンテナを張り巡らせなくてはいけません。情報を収集して、総合的に自分はどう行動するのか判断する必要があります。ですが、その判断が間違っていた場合、有事のときは最悪の結果を招くことにもなりかねません。

 ですが、「決断」をしていくしかないのです。「決断」することを恐れていたら有事の時の対応ができません。だからこそ日ごろから決断するための情報収集や根拠を取りに行くという訓練をしておく必要があります。航空会社の受付カウンターに並んでいた人の多くは人任せでとりあえず聞いてみたらなんとかなるかもれしないと思っていたのかもしれません。払い戻しならその日でなくてもできます、みなさんはどこかに行く目的があるから空港にいるわけでしょうから、だったら目的地までどうやってたどり着くことができるのか自分で考えて目的的に動いたほうが効率的ではないかと思いました。情報をたくさん収集している人は判断材料がたくさんあるわけですから決断も早くよりよい決断をだせることができると思います。

2016.05.30