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事故

川遊びは情報戦?

川遊びは情報戦?

今日から6月に入り、夏の暑さも本番を迎えようとしています。そろそろプール遊び、川遊びといった水遊びをはじめる季節ですね。水遊びを楽しみにしている園児さんも多いと思いますが、そんな季節に気をつけなければならないのは、「水の事故」です。
 

 平成24年7月に愛媛県西条市中奥の増水した加茂川で、私立幼稚園(同市大町)のお泊まり保育中に園の男児(5)が流されて死亡し、園児2人がけがをした事故で、安全注意義務を怠り3人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われた同市の元園長(75)ら園関係者3人の判決公判が30日、松山地裁であり、裁判長は元園長の被告に罰金50万円(求刑罰金100万円)を、新居浜市の元主任教諭(47)=求刑罰金50万円=と、同保育を計画立案した西条市の教諭(46)=同、休職中=の2人に無罪を言い渡した。(愛媛新聞 5月30日)
 

 平成24年に発生したこの水の事故では、当時の園長のみ有罪判決が言い渡されています。事故当日は、県内に雷注意報が発令されており、川の上流には大雨が降っていました。裁判長は、いくら遊泳場所が晴れていたとしても、川の上流の降雨により、川の増水が起こることは一般的に知られている常識であり、園長は天候確認やライフジャケットの装着などの水の事故を防ぐ計画や準備を整える必要があったと指摘しています。実質的にお泊り保育や川での遊泳の計画の決定権者は園長だったため、園長のみに有罪が科されてしまいました。
 これから、川遊びを行う予定の皆さまは、遊泳場所だけではなく川の上流の天候もお忘れずにご確認ください。

2016.06.01