講習の内容を具現化させるもの
「最悪のタイミング」不祥事相次ぐ福岡県職員 飲酒研修直後に逮捕者
福岡市職員の飲酒運転による3児死亡事故から12年となる25日を前に、県職員が酒気帯び運転の疑いで逮捕され懲戒免職となったため、県幹部は「最悪のタイミング」とうなだれる。県は職員研修の強化などに取り組んでいるが、成果は上がっていないのが実情。
ある県幹部は「研修は無駄と言っているようなものだ」と肩を落とす。同県の懲戒処分件数(逮捕事案以外含む)は2015年度5件、16年度2件、17年度5件。本年度はすでに3件で、うち2件は飲酒絡み。
県は昨年8月以降、職員の不祥事が相次いだことを受け、個別面談やグループ研修などを頻繁に実施。中でも飲酒対策を重視し、飲酒運転の事故遺族による講演や飲酒習慣の自己診断テストを実施してきた。また2月議会では、職員の停職期間を最長6カ月から同1年に延長するなど県条例を改正して厳罰化を図ったが、再発を防げなかった。(2018年8月21日 西日本新聞)
海の中道大橋で、市内在住の会社員が、飲酒運転をしていた当時福岡市職員の男の乗用車に追突され博多湾に転落し、会社員の車に同乗していた3児が死亡した事故が起きたのは、2006年8月25日。
私は、この事故の翌日に福岡市内で講演があり、事故現場も見に行きました。橋の欄干が一部抜け落ちているところから、真っ黒な海を見た記憶が今でもはっきりと記憶しています。
それともう1つ記憶しているのは、事故当時の福岡市内には黄色地に青字で2016年福岡九州オリンピック誘致を町中でPRしていました。しかしながら、PRの当事者である市職員の不祥事で、候補も取り下げざるを得ない状態に追い込まれたのだと思います。このPR素材は町の中から一斉に消えました。
つまり、市職員1人の故意の事故で、3人の子どもの命だけではなく、PR費用すべても無駄にしたのが、12年前の事故だったわけです。
そこから、市は、職員に対するさまざまな対策を講じ、飲酒(酒気帯び)運転撲滅を目指してきたわけですが、今回のような結果になったわけです。
私も研修をする立場なのですが、事例の中で県職員の方がおっしゃっていた「研修は無駄」ということをしばしば言われます。研修はムダなのか?ということにお答えいたしますと、「研修を受ける=何かが変わり結果が出る」ということはないと思います。
研修を受けた方(特に管理職の方)が意識を変え、研修の中のキーワードやキーとなる行動を繰り返しながら、集団の意識と行動を変えていくという風に取り組んで行かなければ、研修の意味はないと思います。
ぜひ、みなさま方も研修や講習を受けた後は、自分の中の何かを変えてみてください。何かしらの結果が必ず出ると思います。