大津市で起きた交通事故について考えること
大津事故 2歳男女2人が死亡 9人が骨折など重傷
大津市内の交差点で8日午前、保育園児の列に車が突っ込み15人が死傷した事故で、園児13人のうち、2人が死亡、9人が骨折などの重傷を負っていたことが滋賀県警大津署への取材でわかった。
同署によると、いずれも2歳の男女が搬送先の病院で死亡。また、2歳の男児が頭を強く打ち、集中治療室で治療を受けている。このほか、2~3歳の男女8人が足や肋骨を折る重傷を負った。残りの2人は軽傷だという。
事故当時、園児には保育士の女性3人が付き添っており、27歳と47歳の女性が病院に搬送されたが軽傷。もう1人の女性(33)も軽いけがをした。(2019年5月8日 産経新聞)
この事故の前後にも事故や災害は起きています。4月30日には京都府長岡京市では、5歳の女児がO-157で死亡していますし、5月10日には宮崎県日向灘沖で最大震度5弱の地震が発生しております。
大津の事故後、私が訪問した研修会場や保育施設では、必ずお散歩についての質問を受けます。私がそれらの場所で出会うみなさんは今回の事故を受けて、自分のことのように考えているみたいです。このことには、素直に感心いたします。
保育施設と散歩や園外活動は、切っても切れない関係にあるので、今回のことでは、頭を悩ましている方も多いのではないでしょうか。
しかし、交通事故や食中毒、地震というものは、日常のリスクとして、私たちの身の回りに存在していることを否定できません。つまり、極端な言い回しを使うと、「交通事故にあうリスクを冒して道を歩いている」し、「食中毒になるリスクを冒して食事している」し、「地震に見舞われるリスクを冒して日本に住んでいる」のです。
日常のリスクは、完全に回避することが難しいものが多いのですが、事故の結果には、人間の習慣や感性みたいなものが大きく影響してきます。
大津のような事故は、避けることができません。いわゆる「もらい事故」と言われるものです。でも、少しの注意で事故の結果を小さくすることは可能かもしれません。万が一のときにそうなるためにも、日ごろから道路状況の観察や安全習慣を身につける意識を持って生活することを保育関係者のみなさまには、心がけていただけたらと思います。
少なくとも「歩きスマホ」を抵抗なくできる人間に「保育」(特に街中を園児をつれて引率するような内容の保育)という仕事はできないと私は考えます。