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東日本大震災関連訴訟 行政の賠償責任が初めて問われる

東日本大震災関連訴訟 行政の賠償責任が初めて問われる

 東日本大震災後に宮城県東松島市の市立小学校側の判断で帰宅し、死亡した小学3年生の女子児童(当時9歳)の遺族が市に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は3月24日、女子児童の遺族に対し、約2660万円を支払うよう市に命じる判決を言い渡しました。裁判長は「女児の自宅は学校より海寄りで、津波に巻き込まれるのは予見できた」と指摘しました。

 今回の判決では、日和幼稚園訴訟の第一審判決と同様に、学校長が地震や津波に関する情報収集を怠った点を指摘しています。さらに、ハザードマップも判決に影響を与えているようです。当該女子児童は、担任教諭が同級生の保護者の申し出を受け、避難していた学校の体育館で引き渡し、海側の自宅前で車から降ろされた後、津波で死亡したと認定されています。裁判長は女子児童の帰宅には、津波の予想区域を通らなければならなかったことから、生命に危険が及ぶと具体的に予見できたとして、注意義務違反を認めています。

 今回の判決により、地震などの災害対策には、ハザードマップのような災害発生前の予測データを収集し、それらを反映した対策を講じておく必要があります。それに加えて、災害発生時には迅速な情報収集に努め、適切な判断を下さなければならないということです。裁判所が求めている対応に応じた災害対策にアップロードしておかなければなりません。

 安全対策は最新でなければ意味がないのです。

2016.04.01