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アイギスに寄せられる相談

アイギスに寄せられる相談

 弊社には、全国の保育施設のみなさまから、様々な相談が寄せられています。どのような相談がアイギスに寄せられているのか気になるという方もいらっしゃるのではないかなと思い、相談ランキングベスト4をご紹介したいと思います。

相談ランキング第4位 近隣トラブル

 昨今世間をにぎわしている保育園新設反対運動などありますが、保育園が家の近くに建つのは騒音問題、交通事故の懸念などで建つ前から反対する人が大変増えていますね。やっと保育園を開園できたと思っても、近隣トラブルもあとをたたず、「もう10年以上クレームを言われつづけている」「警察も巻き込んでいるが解決の糸口が見えない」という相談もよく寄せられます。

相談ランキング第3位 保護者対応~園児同士のトラブル編~

 園児同士の噛み付き引っ掻き、喧嘩してケガをしたということは、よく耳にすることだと思いますが、最近では園児同士の性的なトラブル相談も増えてきております。性別に関わらず、陰部やデリケートなところを触りあったりなど、異性であろうが同姓であろうが、人間の体のデリケートな部分の構造が気になる歳ですし、いけないことだと認識できない子どもたちは、ついやってしまう行動もあると思います。大人からしてみるとなんと破廉恥なことをうちの子にしてくれたんだ!という話になるのでこれもまた大きなクレームとして対応に追われる先生方もいらっしゃいます。

相談ランキング第2位 保護者対応~園児のケガ編~

 こちらの相談は、もう少し詳しく解説すると園児のケガの保護者対応です。これは、ケガをしたときの状況やケガの度合い、ケガをしたあとの園の対応なので保護者ともめるかもめないか決まります。だいたいが、事故後の園の初期対応が不適切だったがためにもめるケースが多いと弊社では感じております。

相談ランキング第1位 職員問題

 職員の問題と一まとめにしておりますが、その内容は多岐に渡ります。例をあげると、園児への虐待や行き過ぎた指導、指導をするとパワハラだと訴えてくる新人職員、法律的な違反を犯して逮捕される職員、SNSに園の情報や園児の写真を載せる職員、元交際相手からストーカーされる職員、職員の失踪、園の方針に従わない職員、保育につかせることに不安のある職員、自分の非を認めず悪いところを改善しないが園も辞めずに居座る職員等。保育士不足のこの時代、上記のような人たちでも園は雇い続けなければ保育はまわっていきません。ですが、決して上記のような方々ばかりが保育施設で働いているというわけでもありません。パワハラだと言われても煙たがられても後輩に指導するということに手抜きをしない園長や先輩先生や愛情と熱意を込めて子どもたちに真剣に向き合っている先生、素晴らしい志をもって保育という職についている方々はたくさんおられますし、弊社もたくさんそのような先生方と関わってきました。

 職員へどのような指導をしていけば伝わるのかわからないという相談もよく寄せられます。人が誰かを指導する、叱るという行為は大変な労力を使います。聞き分けのない子どもを保育する、まだ言葉でコミュニケーションがとれない子どもを保育するときと同じか、もしくはそれ以上の労力を大人が大人に対して何かをわからせようとすることは労力を使うものです。自分のことだけ考えていいのであれば誰も他人を指導したり、叱ったりそんな大変で面倒なことはしないはずです。保育士として一人前になってほしい、何よりも子どもたちが健やかに幸せに成長してほしいと思っていたら、子どもたちを保育する先生の考え方や行いが不適切なものであれば、園長や先輩なら指導すると思います。

 叱られるということは、とても嫌なことだと思います。苦痛だと思いますし、私はちゃんとやっているのに何故このようなことを言われなければならないのかとも思うかもしれません。ですが叱っている側も言いたくて言っているわけでもいじめたくて言っているわけでもありません。叱る側も嫌な気持ちをしているのです。

 それは、子どもを叱るときに先生が一番感じていらっしゃることではないかと思います。だとするならば、園長や先輩に叱られたとき「なぜこんなにも私は叱られているのだろうか、私のどういうところがいけなくてこんなふうに言われるのだろうか」と考え、改善していったほうが自分の人生は豊かになるのではないでしょうか。少なくとも恨みつらみを言い、自分を棚に上げて職場のせいや同僚のせいにするような人間にはならないのではないかと思います。

2016.09.19