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子どもの慣らし保育より保護者の慣らし保育のほうが長い・・・

子どもの慣らし保育より保護者の慣らし保育のほうが長い・・・

 私は、4歳になる子どもを保育園に預けている母親でもあります。最近自宅の引っ越しに伴い、子どもが保育園を転園いたしました。転園して早一か月。少しずつ子どもも私も新しい園、新しい先生、新しいお友達に慣れてきましたが、最初はどうなることやらというスタートでした。

 子どもは新しい環境に必死に慣れるしかありません。頼れるお母さんお父さんはおらず、知らない先生とお友達と時間を共にするしかないからです。先生たちはフォローをしてくださっていたことと思います。毎日長い時間を共に過ごしていたら、新しい環境に慣れてくるし、お友達と仲良くもなっていくと思います。

 では、保護者はどうでしょうか。登園時と降園時の短い時間に先生と接し、クラスのお友達の顔をみる程度です。そして子どもから園での出来事を聞いて情報を得るしかありません。子どもが必死で頑張っている傍ら、私は子どもからでてくる言葉に不安でいっぱいになりました。

 「○○先生(前の保育園の担任の先生)がいい、会いたい、○○ちゃんに会いたい、前の園に戻りたい。新しい保育園は嫌だ。先生が怖い・・・」等々。子どもの言葉に揺さぶられ、子どもが辛い思いをしているのではないかと思うと胸が引き裂かれるような思いになりました。これが親というものなのか、自分が傷つくことより、子どもが悲しんでいるとこんなにも辛いのかという親心を実感した瞬間でした。

 しかし、一か月経つと子どもは弱音を吐かなくなり、「早く保育園に行かないとお散歩においていかれるから早く行こうよ!」と私の手を引っ張り保育園に走っていこうとするくらいになりました。やっと新しい保育園慣れてきてくれたのかと思いましたが、親のほうはまだまだ不安は残ります。なぜその不安が残るのかは追々書いていきたいと思いますが、今回のことでわかったことは、子どもの慣らし保育より、保護者の慣らし保育のほうが、大人な分時間がかかるのだなということです。ということで、私の慣らし保育はまだかかりそうです。

 世の保育士さんは子どもも受け入れ、保護者も受け入れなければならないので、改めて保育施設で働くということは大変なこと、そして人の気持ちが理解できなければならない職業なのだと思いました。みなさんの園にも私のように心配性の厄介な保護者はいませんでしょうか?

2019.01.14