封筒にメールアドレスを書けば相手に届く?
日本経済新聞の春秋欄に掲載されていた「封筒にメールアドレスを書けば相手に届く・・・」という文言に思わず目が留まりました。
下記、日本経済新聞より抜粋。
封筒にメールアドレスを書けば相手に届く。そう思っている中学生が少なからずいるらしい。今年の全国学力テストの話である。国語の問題で、架空の新聞の住所やファクス番号、メルアドを示し、投書欄に封筒の表書きをどうするかという質問だが、正しく書けた生徒は57%しかいなかったそうだ。宛名と住所の位置を逆さに書いたり、ファクス番号やメスアドを記したり。
メールやSNSの普及で、手紙との縁が薄くなっているのだろう。7年前の同様の問題より正答率は大幅に下がった。
こう嘆いている当方だって、手紙をしたためる場面がそうあるわけではない。仕事のやり取りほとんどメール、身内とのちょっとした連絡はもっぱらLINEである。ただし、この手のツールとなると、こんどは、シニアが若者に笑われる番だ。向こうは早くて簡潔。
「了解」を「りょ」で済ます返信に戸惑う仕儀となる。
宛名にメルアドはショックだが、文字をつづる機会自体は、むしろデジタル時代になって増えている。「書く」文化は未来につながっていると信じて気を取り直そうか。そういえば、樋口一葉は明治の郵便勃興の世に合わせ、手紙の書き方の実用書「通俗書簡文」を著した。その本で強調したのは「こと葉の自由」だった。
「文字を書く」ということから程遠くなっている世の中ですが、みなさまが働く職場は、書くという作業はたくさんあるのではないでしょうか。最近は、パソコンで日誌や連絡帳のかわりにメール配信をしていますという園もあるようですが、手書きの連絡帳もあると思います。
職員さんがお手紙をどこかに出す機会というのは、事務の先生以外はあまりないと思いますが、今回の中学生の全国学力テストで出た問題のように、封筒の表書きを書くことのできない若い職員さんもひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。一般教養をみるという観点から、採用試験でこの問題を出してみるというのもおもしろいかもしれません。