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間違えを正せる職場ですか?

間違えを正せる職場ですか?

 突然ですが、みなさんの職場では、そこで働く仲間が間違ったことをしていたら正すことができていますか?時として人は保身に走り、失敗を隠蔽します。保育施設での不祥事が発覚することは稀です。職員が勇気を持って内部告発するか、保護者が勇気を持って然るべき機関に相談するか、証拠をつかむためにありとあらゆる行動を起こすかすれば発覚すると思います。

 しかし、間違えを正そうものなら上から圧力をかけられ、同僚から仲間はずれにされるような職場だった場合は、職員は声を上げることができません。子どもたちにとって不利なことが起こっているのに声を上げることができない、どこの機関も助けてくれない。

そしてその職場と自分の身を投げ打ってでも子どもたちのために声を上げることができなかったことに失望し、その職場を去っていく職員さんもいます。

 先輩先生が虐待まがいなことや人権を無視するような声かけを子どもにしているけど、後輩の先生はそれを指摘できないということはよくある話です。子どもが泣くことがおもしろいから、かわいいからといって、子どもが被っている帽子のヒモを引っ張ってアゴにはねかえって泣かせたり、毎日延長保育を利用しているからといって、風邪がうつって休めばいいのにと子どもに対して言っている職員さんもいるようです。

 間違えを正すということは人に指摘をするということです。これはなかなか難しいことだと思います。そして間違えを正す風土が職場になければ尚更です。出る釘は打たれるとはこのことですね。理事長や園長が事実確認をしっかりせずに放置していたら、もうあきらめるしかありません。でもあきらめてしまうと問題を放置したまま、人材の流出も避けることはできないでしょう。

 理事長や園長がこの問題に立ち向かい、間違えが正せない職場なのであれば、何が原因でそうなっているのか、その原因がわかれば、間違えが正せる職場にしていけるかもしれません。救える子どもたちや職員さんがたくさんでてくるのではないでしょうか。

2020.06.15