潜在保育士が望んでいる復職への前向きな検討材料
昨今、保育業界は保育士不足に悩まされており、国も保育士の給与アップなどを施策として掲げ、保育士確保に向けて取り組んでいこうという動きが見受けられます。そんな中、某株式会社がある団体と共同で潜在保育士(保育士資格や幼稚園教諭の免許を持っていても、保育園や幼稚園、こども園で働いていない人を指します。全国で約68万人いると推計されています。)に復職に関するアンケートを実施したという記事を最近目にしました。そこには、このような結果が出ていました。※回答者数は213人。
○退職をした理由は何か
給与への不満 63.4%
業務量や残業の多さ 60.1%
※処遇問題だけではなく「人間関係(特に私立は長年勤めているから偉いという感じがあり、保育を評価してもらえていない、女の社会なので妬みなどある)」や「プライベートとの両立」も高い数値となっていました。その他、業務量の多さ、残業の多さなど。なかには、「命を預かる責任の重さ、事故への不安から職を離れた」という意見もあったようです。
○給料が5万円アップしたら復職するか
復職したくない 79.8%
※理由としては、「給与が安い(87.1%)」と最多。なかには、「命を預かる責任の重さ」に耐えられないとい意見も。
○給料が10万円アップしたら復職するか
復職したい 86.5%
※5万円アップのときは復職したいと答えた人は半数以下だったのに対し、8割の人が復職したいと答えています。
○保育士として復職するにあたって何が必要か
給与アップ 90.6%
休日は有給取得の増加 68.5%
※その他の回答としては、「保育士の子どもの保育料無償化」や「保護者対応のサポート」「社会的認知の向上と適正評価」という意見もあったようです。
○その他、意見等。
「残業をして制作物や行事の準備をしているのに自己満足、園長先生の満足にとどまり給料へ反映されない。福祉系の仕事はボランティア精神を持っていると思われタダ働きは当たり前、タダ働きやタダ残業をしてもより良いものを子どもたちに与えられるなら自分を犠牲にしろと叩き込まれている。子どもと遊んでいるわけではなく命を預かっていることをわかっていただきたいです。」
上記のアンケート結果から、給与アップさえすれば復職してくれる人が増えるとは安易に考えることはできないように思えます。潜在保育士さんの「子どもと遊んでいるわけではなく命を預かっていることをわかっていただきたい」という思いを保育施設で働くすべての方々が持っていたら、保育施設での死亡事故は減るかもしれません。そして、そのような思いを持っている保育士さんこそ現場で働いていほしいと、保育施設関係者の方々も保護者の方も思うのではないでしょうか。本題からずれてしまいましたが、給与面たけでなく激務と言われる保育という業務に従事するためには、様々なサポートが必要だと言うことがわかります。
今の保育士さんに求めれる業務は「保育」だけではありません。制作物や日誌、個人記録、保護者対応など多岐に渡ります。「給与面以外でもうちの園では、みなさんが働きやすいように○○なサポートも充実しています」という、「保育士が働きたくなる園になるためのアピールポイント」が必要になっていきます。限られた運営費の中でどのようなサポートができるのか、園のなかで今一度考え、国の施策を待つだけではなく、個々でも保育士確保に向けての対策をとっていく保育施設が、今後は生き残っていくのかもしれません。ちなみに「保育士として復職するにあたって必要なものは何か」という問いに関しての回答の中に「保護者対応のサポート」とありましたが、ご安心ください、弊社の危機対応サービス会員様はこちらは対応できているのでアピールポイントとして押し出すことができます。