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保育士から訴えられる時代です。

保育士から訴えられる時代です。

 山梨県富士吉田市の保育園に保育士として勤めていた20代女性が、免職処分を違法として取り消しを求めた訴訟の判決で甲府地裁は23日、請求を認め処分を取り消した。

判決によると、市は2015年4月1日付で、条件付き採用期間6カ月として女性を採用。同9月30日に「職務を良好な成績で遂行していない」として免職にした。

 峯俊之裁判長は判決理由で「採用初日に仕事用の衣服を持参しなかったことや園児が食べる魚の骨を1本取り除き忘れたなどのミスで、保育士として成長していく資質を有していないと判断するのは、許容される限度を超えている」と述べた。女性は判決後「正しい判断をしてもらえて本当に安心した」と涙を浮かべた。(2018年1月24日京都新聞)

 こんなことで保育士は裁判を起こしたのかと思う人もいれば、こんなことで保育園は保育士を免職処分にしたのかと思う人もいるかもしれません。報道されていること以外に双方に何があったのかわかりません。報道されていることだけが真実とも限りません。

 しかし、マスコミが報道したことしか保護者も知る由がありません。最近では、退職した保育士さんが保育園に対して弁護士に依頼をし内容証明を送りつけたり、裁判を起こしたりするケースが増えています。内容的には、働いていた時にパワハラを受けた、残業代が未払い、自己都合退職だったが園側に退職に追い込まれたなどです。保育士と信頼関係を築くということも大変なことかもしれませんが、働いてもらっている間に揉めるようなことは摘んでおいたほうがあとあと面倒なことにならないのではないでしょうか。

 行き過ぎた指導やサービス残業を黙認しているようなことはないでしょうか。相手が間違ったことを言っているといっても、労働者側が守られるように法律はなっています。保護者同様、保育士も権利の主張ばかりする人が増えています。そのことを踏まえた上で雇って指導していかなくてはなりません。そろそろ新人職員の採用決定の時期です。面接だけではどんな人か見極めることは困難です。人材不足の今、人を選んでもいられない時代だからこそ、雇ってからの指導が勝負なのかもしれません。

2018.02.05