謝罪はタイミングがすべて
振袖「はれのひ」会見から一夜 被害者の怒りと疑問
振袖の販売・レンタル業をする「はれのひ」が突然休業し、成人式に晴れ着を着られない新成人が続出した問題。
横浜地裁は1月26日、同社の破産手続き開始を決定。同日、「はれのひ」の篠崎社長が騒動後、はじめて姿をあらわし、記者会見をした。
篠崎社長は会見冒頭、「はれのひ株式会社の件につきまして、お客さまをはじめ、各お取引先さまに多大なご迷惑・ご心配をおかけしたことをここで深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」と謝罪。
また「お嬢さま、ご家族さまの一生に一度の成人式を台無しにし、本当に取り返しのつかない事態になってしまったことは、代表取締役である私にすべての責任がございます。本当に申し訳ございませんでした」と述べた。(2018年1月27日 BuzzFeed Japan)
この記者会見の要点は、①詐欺の認識は否定し、「精いっぱいやった」と弁明。②対応に苦慮していた。どのように対応したらいいか分からず、相談するところもなく、対応が遅れたと説明。以上2点です。
今年の成人の日は1月8日で、会見は1月26日でした。この間、18日間あります。
謝罪会見は内容よりもタイミングがすべてです。トラブルが生じて、それが多くの関係者に迷惑をかけるようなときは、会見を開くほうが効率的に情報公開ができます。保育施設でいえば、保護者説明会がそれにあたります。ここでいう記者会見とは利用者などに対して行う情報開示なので、保育施設では保護者説明会にあたるわけです。
利用者に対する情報公開なので、早いに越したことはありません。だからこそ、タイミングが第一なのです。
さて、記者会見の内容ですが、①事実を真摯に受け止める。②言い訳はしない。③何が起こっているのかを包み隠さず伝える。④起きていることに、どのように対応していくか伝える。という4点に注意して行うのがポイントです。
以上の点から、「はれのひ」が行った記者会見は、「精いっぱいやった」「方法がわからず対応が遅れた」という言い訳しか言っていません。
人間は本能的に自分を守るようにできています。しかし、迷惑をかけた方が、かけられた方に対する謝罪や説明の際に自分を守る言い訳をするのは、おかしな話です。
謝罪時には、タイミングと保身をしないよう意識するという2点に気をつけて行えば、後々の対応が楽になります。自分で自分の首を絞めるような目先のごまかしではなく、長期的に見てうまくいくやりかたを行うべきだと思います。