言い訳をするタイミング
園児が園庭で遊んでいるときに、何もないところでつまずいて転んでケガをしてしまった。園児を集団で保育している職員なら一度は見たことがある光景だと思います。
このような場合、仮に園に非が無かったとしても、園内で起きてしまった事故であるため、保護者に謝罪をしなければなりません。この謝罪の時に、言い訳に聞こえるようなことは言ってはいけない、ということは私たちが口を酸っぱくしていっているところです。なぜ、謝罪の時に、言い訳を言ってはいけないかというと、言い訳を言えば言うほど保護者の感情を逆なでしてしまうからです。そして、謝罪の時に、言い訳に聞こえるようなことを言ってはいけない、ということを頭で理解していても、謝罪をしているときに保護者から園または職員の非を責められると、仕方が無かった事故なんだ、避けることができなかった事故なんだとついつい言い訳をしてしまった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そんな、方に1つ提案があります。言い訳をするタイミングをかえてみるという提案です。謝罪の時に、言い訳をしてはいけないなら、いつ言い訳を言えばいいのかというと、それは事故が起きる前です。事故が起きる前に、集団保育においては避けられない事故があるということを保護者にしっかりと言い訳してしまえばいいのです。例えば、園庭でのつまずき事故や、園児のかみつき、ひっかきなどは、園として最大限の配慮をしたとしても全てを避けることはできません、と保護者に言い訳をしてしまえばいいのです。保護者への伝え方としては、入園式の際や園便りなどが考えられます。
今回は、事故が起きる前の「言い訳」というネガティブな単語を使用しましたが、実はこれは園と保護者の立派なコミュニケーションなのです。このような考え方を持つことによって、事故が起きた後、保護者に責められたとしても、事故が起きる前のコミュニケーションが不足していたんだと、真摯に受け止めることができるようになるとおもいます。事故対応は事故が起きた後よりも、事故が起きる前の対応が肝要であるということを、新年度を迎える前に再確認していただきたいと思います。