自分たちで居場所をなくしていく人たち
介護セクハラ 国が対策作成へ 事業者向けマニュアル
介護職員や看護師が利用者とその家族からセクハラや暴力・暴言を受けている問題で、厚生労働省は、今年度中に事業者向けの対応マニュアルを作成する。防止策に加え、被害に遭った際の対応策も盛り込む。初の実態調査も実施する。労働環境の改善を図るとともに、職員を集めやすくする狙いもある。
主な調査対象は、ホームヘルパーらが入浴介助など身の回りの世話をする「訪問介護」と、看護師らが服薬指導などをする「訪問看護」。女性職員が1人で個人宅を訪れることが多く、セクハラや暴言などの嫌がらせに遭うリスクが高い。
被害防止のために2人で訪問するなどの対応をしている事業者もある。厚労省は、こうした取り組みを調べ、マニュアルを作成。併せて調査結果を分析し、次の介護報酬改定(21年度)に向けて必要に応じ対策も検討する。(2018年7月15日 毎日新聞)
今後、日本社会は人口減少がさらに進みます。労働人口は減り、高齢者は増えます。労働者は自分の就きたい職業が選べる可能性は増えるでしょう。一方で、高齢者は増えるので、要介護人口は増えるでしょう。ということは、介護現場で働く人は今まで以上に必要になるということです。
しかしながら、現状は、今回の記事でもおわかりのように、介護現場で働く方々(特に女性)が働きづらい環境にしているのは、介護を受けている方々なのです。
こういった現象は、社会のいたるところで見ることができます。たとえば、救急病院のたらいまわしは、医療現場で訴訟が増えていることから、医師や病院がリスクを取らなくなったことによる結果です。保育現場にも、必要以上の要望を押し付けてくる保護者もいます。
今の日本社会では、激しい企業間競争により必要以上の顧客サービスを提供しています。その結果、顧客側が勘違いするまでえらくなっています。特に団塊世代のお金を持っている層は、企業からチヤホヤされているので、勘違いしている方々が散見されます。
でも、これからの日本社会は労働力資本が激減していくので、それらをみんなで分かち合っていかなければなりません。つまり、労働者を消費者が手伝うことにより、仕事がしやすい環境を整えることが重要になってくると思います。それができない消費者は、財やサービスを思ったように手にできないようになるでしょう。
コンビニでレジを打ってくれる人、ゴミを収集してくれる人、宅配便を運んでくれる人、自分の子どもを預かってくれる人、自分の親を介護してくれる人など、自分の身の回りにいて、自分の生活を間接的に支えてくれる人生のスタッフともいえる方々に「感謝」することを忘れずに実行することが大切なことだと思います。