タイムライン防災が浸透してきました。
私は9月3日神戸、4日京都、5日大阪という日程で今月の初旬は出張しておりました。3日の神戸の仕事後、岡山に移動して知り合いの方とお食事する約束をしていましたので、岡山へ移動いたしました。
「明日は台風接近ですねー」という話をしながら、美味しいお食事をいただき、別れ、ホテルに戻りました。翌日、京都に移動しようとしたところ、新大阪に午前10時30分より後に到着する新幹線は運休とJR西日本のHPに書いてあったので、「今日は岡山で足止めかー」と思いながら、新幹線の切符を5日のものに変更し、岡山のホテルをとり、そのホテルに向かいました。
台風の進路に入っているという予想が出たら、接近する前に、早い段階で事業を休止したり、避難したりする行動計画を「タイムライン防災」と言います。
この方法は、一昨年あたりから航空会社は早めに取り入れ、欠航になる予定のフライトを利用する顧客には、当日、飛行機が飛んだ、飛ばなかったという結果にかかわらず、事前に「あなたの乗る予定のフライトは欠航になる可能性がありますよ。今のうちに変更した方がいいですよー」というメールが来るようになっています。
これを今年はJR西日本は本格的に活用し、リスクを最小限に抑えています。大阪にあるUSJも4日、5日はお休みしていました。これも良い傾向だと思います。台風直撃の可能性もあるのに、従業員をやみくもに出勤させ、出勤途中で事故にでも遭い、死んだりしたら、企業の信用はガタ落ちです。だから、売り上げよりも危機管理を優先させるわけです。
前置きが長くなりました。では、保育業界はどうなのでしょう。一般的には、行政から「お仕事に行く保護者の方が困るので、園は開けるように」という指示が全国的に出ているようです。
避難準備情報は、岩泉でのグループホームで入居者が死亡するという事故が起きてから、避難準備・高齢者等避難開始という文言に変わりました。この高齢者等の等には、保育園児は含まれています。つまり、国が決めた災害時における要支援者にあたるわけです。この要支援者たちを台風が直撃する可能性がある状況下で、わざわざ登園させろという指示を行政は出すわけです。
そもそも、台風直撃の可能性がある中で、出勤させる企業は、もはやブラックです。というと、「命に関わる消防士や看護婦、医者、自衛隊に勤める保護者の子どもはどうすれば良いのですか!」というくだらない反論が聞こえてきます。それは、消防署や病院など職場が考えるべきであって、災害リスクが高まっている状況下で、わざわざ重大被害が発生するような状態を作るべきではないのです。必要最小限の機能以外は、行政も本来は休むべきなのです。
予測可能の災害である台風への対策は、「面」の対策です。台風の進路上にある事業所はコンビニやガソリンスタンドなども含め、すべて休むべきです。必要であれば、避難を優先すべきです。
今年も予測可能なのに、雨災害で多くの人間の命が失われました。命を守るための行動をできるだけ事前に行うということを一人ひとりが心がけるべきだと考えます。