常識テンプレート。

　「おいおい、昨日休みだったんだから、昨日はお休み有難うございましたくらい出社したら他の先生に言おうよ」と思う人が園の中にいませんか？そういう人に指摘すると大抵、「え？そんなこといわなくちゃいけないんですか？教えてもらわないとわかりません。」と言います。そういう人は、常識テンプレートが頭の中に存在しません。こういう時はこう言うのよ、こういう時はこんなふうに対応するのよと後で説明しても身に付きません。

　言ってもそもそもの常識テンプレートが存在しないので言っても無駄なのです。人に気を使いましょう、気を配りましょう、相手の立場にたって考えましょう、先読みしましょう、目上の人にはこんなふうに接しましょう等々のことをそういう人に言っても、「なぜそんなことをしなくてはいけないのか・・・」と頭を悩ませてしまいます。理由を説明してもそういう人達は理解ができません。

　では、どうしていくのか？子どもと同じようにその場で教えていくしかありません。子どもが人から何かをいただいて「ありがとう」という言葉が出なかったら、大人が「ありがとうは？」と子どもに言い、子どもは「ありがとう」と言います。それと同じです。根気よく説明してやってみせて、理解できる人もいれば、理解できない人は、ある一定数います。それをこの人はおかしいのではないかというのは簡単です。

　しかし、雇った以上は教育していかなくてはなりません。どんなに情熱を込めて指導しても心打たれて精進する人は多くはありません。その度に指導者は失望感を味わいます。そんなときは、「この人の中には常識テンプレートが存在しないんだな」と見極めて指導していったほうが指導者の方の精神衛生上いいのではないかと思います。