当たり前の日常がなくなるとき。
GW前から、子ども達が犠牲になる事故が後を絶ちません。大津の保育園での園児2名の死亡事故は、保育業界のみならず衝撃が走ったことと思います。事故当日からお散歩についての相談や問い合わせが弊社にも多く寄せられ、みなさんお散歩の見直しや事故の対策、保護者対応等、大変だったことと思います。
当事者でない人たちも当たり前の日常が一瞬として消えさる恐怖を覚えたのではないでしょうか。とても残念なことなのですが、どんなに衝撃的な事故や事件でも、人々の心の中では時間の経過と共に忘れ去られていきます。これは人間の本能的な部分なので仕方がありません。悲しいことなどは忘れていかないと人間は生きていけません。同じ町で起きたことさえも時間の経過と共に他人事になっていってしまう。もちろん防げない事故もあります。
今回の大津市の事故も園側で防ぎようがなかったと思います。防げたとしたならば、園外にでないという選択肢をとっていたらですが、これは現実的ではありません。今回のブログでみなさまに伝えたいことは、「当たり前の日常」は「当たり前に毎日やってくるのではない」ということです。
アイギスでは、園側からの相談ももちろんいただきますが、自分の子どもを園や園以外で亡くしたお母さんからもたまに問い合わせがくるときがあります。被害者の声を客観的に聞くということは大変貴重なことです。我々は、事故の加害者、被害者の両方の声を聞くことがあるため、皆様よりも事故現場により近いところにいます。なので我々のほうが常に事故や事件を風化させることなく皆様に危機管理についての様々な情報を発信していきたいと思っております。
今日笑顔で元気に登園してくる子どもたちが、明日も笑顔で元気に登園してくるとは限りません。事故現場から離れた場所(皆様がいる場所)で「常に危機意識を持ち、当たり前の日常がやってくるなんて思わないで意識を高くもっていきましょうね」などという根性論みたいなものはもっていても無駄なので、どうかアイギスから発信される危機管理について時々耳を傾けていただけたら幸いです。