事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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最後は自分しか頼れない

最後は自分しか頼れない

 先日、開業コンサルタントの方を信用して、ある医師が自分のクリニックを開業するための準備を一任したら、開業準備資金をすべて持ち逃げされたというネット記事を読みました。

 私どもも危機管理・対応のアドバイスを生業としているいわばコンサルティング業です。そういうこともあって、この記事には考えさせられました。

 コンサルティング業は在庫も持たず、明確な商品も存在しません。ノウハウや知識といった、いわゆる知的財産の類を売ってお金を頂戴しています。

 私どもの会社は事故現場に臨場し、現場のみなさんと一緒に対応策を考えます。いろいろなパターンの事柄を考え、想像をめぐらし、想定し、対応策を提案します。でも、それがすべてクライアントが望む結果につながるとは限りません。そして、結果責任も負えません。

 つまり、どのような問題に対しても解決のお手伝いはしますが、問題解決をお客様に代わって、私どもがすることはできないのです。

 みなさんも今、保育事業を運営していて、さまざまなコンサルティング会社を使っていることと思います。どこの会社を使うのか、どの提案を採用するのか、いくら支払うのか。それらは、最終的に自己責任で決めなければならないのです。

 自分の人生や会社に降りかかる影響は、他人にもらってもらうことはできないのです。冒頭の記事に出ていたお医者さんも自分の夢の実現を他人に丸投げしたことが、すべての敗因なのです。

 最後は自分で決め、自分で責任を引き受けるしかないのです。それが人生における自己責任原則なのだと私は考えます。だからこそ、最善の結果につながる最善の判断ができるように、普段から努力する(もがき苦しんでおく)必要があるのではないでしょうか。

2019.07.12