吉本騒動で考える その1
今回からは、4週にわたって吉本興業問題について、保育業界のみなさんにも関わりがあることを考えて行きます。まず第1週目の今週は、「従業員を守れない会社は生き残れない」というのがテーマです。
反社会勢力の方々のところに、闇営業に行き、ギャラをもらっていたことはさておき、ここでは会社の対応についてのみ考えてみます。
とにもかくにも、トラブルを所属芸人が起こしたことに対し、会社としてはどのように対応すべきなのでしょうか。厳正に処分すべきか、何かしらの対応をして、渦中の芸人が一日も早く表舞台に復帰できるようにするか。それは、会社の方針で決めれば良いと思います。
ここで、最も重要なことは、いづれの対応を選択したにしても、渦中の芸人以外の芸人はそれを近くで見ているということです。「自分の会社は自分が窮地に立たされたときに、どのように対応してくれるのかな」という気持ちで冷静に見ています。
そして、自分はこの会社に居続けていいのか、移籍すべきか、を考え始めるのです。
最近、組織に所属している職員を守ることができない組織の問題が目立ちます。たとえば、違反タックル問題が発生した日本大学は、内田監督を守れませんでした。NGT48はメンバーに対する暴行被害騒動が起きたときに被害者も守れませんでしたし、その他のメンバーを守ることができませんでした。
そして、今回の吉本興業も所属芸人を守れませんでした。
これら一連の問題に共通することは2つあります。1つは、所属従業員の存在を軽く見ていること。もう1つは、対応が遅いということです。
なぜ対応が遅くなるのかというと、常日頃から従業員の不祥事を想定し、準備しておかないからです。たとえば、トラブル発生時に、誰が指揮をとるのか、誰が決断を下すのか、対応チームのメンバーは誰か。などを決めておかない限り、迅速な対応はできず、対応が失敗する可能性も高くなるでしょう。
このことは、保育業界にもいえると思います。保育現場の職員がコンプライアンス違反を犯した場合には、厳正に対処すればいいと思いますが、もらい事故のようなトラブルに巻き込まれたときには、園が前面に立ち、助け出して差し上げることが職員採用にも、職員定着にも必要だと思います。
みなさんの園も、吉本興業のトラブルを見て、学んでください。