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吉本騒動で考える その2

吉本騒動で考える その2

 吉本騒動で考える第2弾は「やらなかった方がいいのでは?の記者会見」です。

 宮迫さん、亮さんが記者会見をした後に、吉本興業の社長が記者会見いたしました。その会見の長さも5時間半という規格外でしたが、それを上回る内容のなさがひんしゅくをかっていました。

 では、どこが悪かったのかを検討してみましょう。

1.質問に答えていない

  これは意外と誰にもあることなのですが、おそらく社長は普段から質問と答えが合っていなかったと考えられます。日本語は行間や相手の意向などを汲み取りやすい言語だと思います。それゆえに普段から、YesとNoをはっきり言わなくてもコミュニケーションはできます。それが、イザという場でも出たのでしょう。みなさんも普段のコミュニケーションから気をつけておかないと、万が一のときに墓穴を掘ることになりますのでご注意ください。

2.相手が聞きたいことに答えていない

  記者会見とは、会見を開く側が話したいことを伝える場であると同時に、記者の方々が聞きたいことを聞く場でもあります。どちらかというと、主導権は聞き手である記者側にあります。だから、記者の関心を元にした想定問答集を事前に作成しておかなければなりません。でも、それができていなかったのでしょう。宮迫さんの記者会見の後なので、ほとんど問題が明らかになっている試験みたいなものでしたが、それに対してすら答えを用意していなかったのですから、致命傷になって当然だと思います。

3.そもそも後手に回ってしまった

  日本大学の反則タックル問題のときもそうだったのですが、もめている相手が会見した後に会見をしており、相手の後手に回っています。記者会見とは、必要に応じて何回もする必要があるので、吉本興業が会見して、宮迫さんたちが会見して、それを受けて、また吉本興業が2度目の会見を開くという流れで良かったのです。それを静観なんてしているから、トラブルがより複雑になってしまったのです。

 以上のように、記者会見はしても、しなくても問題化する可能性がある難しい判断です。会見は必要か、否か。するたしたらタイミングはいつなのか。を見定めて行いましょう。これも普段から考え、準備していないと、すぐには実行できないものだと思います。

2019.08.02