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職員の反乱を食い止めることはできるのか。

職員の反乱を食い止めることはできるのか。

 最近、話題になっている職員の大量退職問題は、まだまだ可愛いものだと日頃、保育園や幼稚園からの相談を受けている我々は思ってしまいます。大量退職に至るまでに様々なことがその職員さんたちには起こっていたと思います。

 どのような環境で働き、どのような問題があったのかは、第三者ではなかなかわからないものです。職員側が悪いのか園側が悪いのか等わかりません。しかし、職員が大量退職となると保護者はあわてます。だいたいの保護者の方は、園長先生より、職員さんのほうと距離が近いですから、園長先生や主任にパワハラ受けたの?労働環境が劣悪なの?など職員擁護になってしまいます。これは仕方のないことだと思います。

 仕事を放棄し、遅刻を繰り返したり、園児に虐待まがいなことをする職員だったとしても、その真実を保護者に言うことは園としてはできません。どうしても大量退職=園の運営側に問題があるという図式に見られがちです。上記のような職員さんがいた場合は、彼女たちが自分から辞めてくれるなら、ありがたいことなのです。今回のお伝えしたい「職員の反乱」というのは、仕事を放棄し、園長の言うことも聞かず、指導しようものなら、すぐにパワハラだと労基署や保護者に言いふらし、そして絶対に園を辞めずに園に居座り、周りの職員さんを巻き込んでいくということです。

 その反乱を食い止めることができるのか・・・。それは、反乱が起こってから食い止めることができません。できることがあるとするならば、反乱が起こらない組織にしていくために、入職してきたときから、上下関係の明確化だったり、社会人としてのルールを身につけさせておくことです。そして、入職後のフォローをかかさないということです。

 仕事を覚えてもらうため、周りの職員と調和がとれるようにするため、園児を安全に保育するため、社会人として、保育従事者である自分の立場をわきまえていくため、様々なフォローをしなくてはなりません。それらすべてを現場の先輩職員に任せっきりにしていたら、モンスター職員を生んでしまうことになります。

 職員さんがどのくらい成長しているのか、誤った考え方で保育をしていないか、先輩職員が間違ったことを教えていないかなど、管理者側がチェックしていかなくてはいけません。

 それを怠ったら、園側でコントロールできない職員さんたちが育ち、反乱が始まるのだと思います。そうなってしまったら、もめるのを覚悟で反乱を起こす職員を解雇して、人材不足の中、必死に新しい人材を探すしかありません。

2019.08.19