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「アメフト問題で責任はたしていない」日大の現役教員ら、田中理事長・執行部を提訴

 2018年5月に起きたアメフト部の悪質タックル事件や、医学部の不正入試問題で、適切な対応を怠ったとして、日本大学の元・現役の教員14人が10月14日、田中理事長ら新旧執行部8人(内田元常務理事を含む)を相手取り、損害賠償訴訟をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。

 アメフト問題や医学部不正を受けて、日大は、2018年度の私学助成金(補助金)が前年度にくらべて35%も減額された。訴状によると、原告は、田中理事長ら執行部が、適切な事後対応をとらず、本来おこなうべき善管注意義務や忠実義務を果たさなかったと主張。

 そのうえで、田中理事長ら執行部が連帯して、学校法人としての「日本大学」に対して、計3億5000万円の損害賠償を支払うようもとめている。さらに、愛校心や母校愛を傷つけられたとして、原告に対して、1人あたり5万5000円(計70万円)の損害賠償を支払うことももめている。(2019年10月4日 ヤフーニュース)

 まず、事故やトラブルが発生したときに、外部からどんなに強い圧力がかかっても組織が壊れることは、ほぼありません。組織が壊れるときは、内部崩壊です。

 今回の事例である日本大学がその典型といえるでしょう。事故やトラブルが発生した場合、すべては初期対応の適格さにかかります。なぜなら、火事と同じで初期消火がある程度うまく行っていたら、あとはスムーズに進むからです。

 それが日本大学の場合、初期対応も失敗し、それから危機対応をしていきましたが、火に油を注ぐような対応で、かつ、完全に消火しませんでした。そのツケが今になって出て来ているわけです。

 危機管理の失敗は有限、危機対応の失敗は無限です。事故やトラブルを起こしたことよりも、どのように対応するかが重要なのです。そこをしっかり押さえていれば、日本大学や吉本興業のようにはならないでしょう。

 みなさんの園では、危機対応の準備はできていますか?

2019.10.25