台風19号が教えてくれた命の値段
台風19号のときに、きよきよさんが自身の体験をもとに描いた漫画が注目されました。
きよきよさんは、週末に娘さんと旅行する予定だったそうで、「夜行バスやホテルは、キャンセル料が発生していたので、キャンセル料を支払うくらいなら行くか?と悩んでいた」とのことです。
そんなとき、娘さんが「お母さん、キャンセル料もったいないって、それっていくらくらいかかるの?〇万円?」と聞いてきたそうです。そして、「もしそれで死んじゃったら、私たちの命って〇万円ってことだよね?」と、無邪気な笑顔で言われたそうです。
まったくその通りなのですが、時として人は、そういった理屈がわからず無謀な行動に出てしまうことが、しばしばあります。
この命を犠牲にしないために支払うキャンセル料のことを「リスクコスト」といいます。
保険で「掛け捨て」という言葉がありますが、基本的にリスクを避けるためのコストはすべて掛け捨てです。たとえば、駐車禁止を切られないために支払う駐車料金や、今回の台風19号の到達に備えて売れまくった養生テープ代などは、すべてリスクコストです。
航空業界で、JALやANAよりもLCCの方が代金が安くて済むのは、JALやANAはLCCに比べてリスクコストを支払っているからです。
一般企業でも製品を製造する際にはリスクコストをかけています。
もちろん、保育業界にも同じことが言えます。保育施設ごとに額は異なるでしょうが、多かれ少なかれ安全に関する費用はかけていると思います。
来年度の保活は始まっているみたいですが、自分の大切な子どもを預ける施設です。その施設がリスクコストをどこにどの程度かけているのかも、しっかり見て判断したほうがいいと思います。