思い込みの怖さ
私事ではございますが、先日私は休暇を頂き、アメリカに旅行にいってまいりました。そのときのエピソードです。空港に着き入国審査が終わり、機内から我慢していた、お小水のためにお手洗いに駆け込みました。お手洗いの雰囲気が海外とはいえ少しいつもと違うと思って、注意深く周りを見回してみると小便器がありません。ちなみに、私は男性です・・・
そうです、女子のお手洗いに入ってしまったのです!私は慌ててその場を出ようとしたら、日本の女性の方が入って来てしまいました。私は、「申し訳ございません、間違えてしまいました。」と謝罪したところ、その女性は「たまにありますよね、間違えてしまうこと。」と優しく微笑み返してくださりました。人の優しさに触れ心がほっこりいたしました。めでたしめでたしというエピソードです。
いいえ、私がみなさまにお伝えしたかったことはハッピーエンドのエピソードではございません。このエピソードには危機管理の失敗事例が含まれているのです。
日本のお手洗いは女子のお手洗いには赤色、男性のお手洗いには青色のマークが付いています。そのため、私は赤色のマークのお手洗いには入ってはいけないと子どもの頃から認識していました。しかし、アメリカのお手洗いには女子のお手洗いには赤色、男性のお手洗いには青色というルールがありません。スカートを履いた人が立っているマークが付いているお手洗いが女性のお手洗い、男性が立っているマークが付いているお手洗いが男性のお手洗い、どちらのお手洗いもマークの色は同じです。そのため、私は灰色の色をしたスカートを履いた人が立っているマークのお手洗いに入ってしまったのです。入ってしまった理由はマークをよく見ずに赤色では無いから男性のお手洗いだろうと思い込んでしまったのです。つまり、赤色のマークでなければ男性のお手洗いだと思い込んでいたことが今回のミスの原因です。マークの色で思い込みをせずにしっかりとマークの表示を確認すればこのようなミスは発生しなかったのです。
このミスは、保育施設の危機管理に応用することができます。例えば、遊具の安全チェックシートを作成している保育施設であれば、安全チェックシートのチェック項目だけチェックしていれば安全だと思い込み、安全チェックシートのチェック項目以外は一切チェックしないということがあるのではないでしょうか?また、お散歩中園児と手をつないで歩いてくださいと指示されたら、園児と手をつないではいるが道に広がって歩いているということはないでしょうか?この二つはあくまでも例え話ですが、つまり、〇〇してください、〇〇しないでくださいと言われ、言われたことだけを守っていれば安全だという思い込みが危険なのです。
危機管理の意識は園児の様子、環境によって求められることが異なってきます。そのため、その場その場で、自分で考え行動しなければなりません。言われたことだけ守っていれば良いという意識では園児の安全は守れません。人間は思い込みをしてしまう生き物です。そのことを前提に、しっかりと自分の頭で考えながら園児を危険から守ってください。