無用の用
老子の言葉に「無用の用」というものがあります。一見、何の役にも立たないようにみえるものが、かえって大切な役割を果たしていること。という意味です。
最近、私は、アイギスのオフィスにバラを1輪買ってきて、生けるようにしているのですが、この一見なにもないように見える行為が、今、アイギスにさまざまな変化を及ぼしています。
1.花を生けている周辺が片付いた
せっかくバラを生けているのであれば、そのバラを少しでもよく見たいという群集心理が働いたのか、どうかはわかりませんが、誰彼となく片づけを始めました。その影響が他の部屋にも派生して、整理整頓が始まり、今、ちょっとした片づけブームになっています。仕事をする環境が片付くと、生産性もあがり、成果を出して、早く帰るということができるようになりつつあります。
2.教養が身についた
これは昨日のことなのですが、私が買ってきたバラを切って生けようとしていたところ、スタッフの1人が「水の中で茎は切ってください。長持ちします。斜めに切ってくださいね。」と声をかけてきました。その作業をしながら聞くと、彼女はフラワーアレンジメントの教室に通っていたことがあるとのことでした。そんな教養が身についているスタッフがアイギスにいることの発見も嬉しかったのですが、次からは買ってきたバラは彼女に生けてもらうことにしました。
ここに彼女の役割ができ、それが彼女にとって組織内の居場所の1つになります。このことは彼女が仕事をする上ですごく重要なことです。ものごとがうまくいかないときの拠り所は、絶対に必要です。それを持っている人と持っていない人とは、雲泥の差になります。拠り所があれば辞めなくてもよかった職場を、拠り所がないために辞めてしまい、実績もスキルも信用もまたゼロスタートになる可能性があるからです。
バラに話を戻しますが、バラにはたくさんの種類があり、季節によって変わるようです。それぞれのバラには、旬があるみたいです。私は日本橋高島屋さんにあるバラ専門店でいつも買うのですが、「今、おすすめのバラを1輪ください」といつも言います。そして、そのたびに、違うバラを選んでくださいます。「そのバラたちに出会うことも教養だなー」と感じています。
私は何かを求めて始めたことではないバラを買って、オフィスに生けるという行動が、いろいろな良い影響を及ぼしてくれています。まさしく「無用の用」を実感しています。
ところで、今回のブログの写真は、そのお店にあった看板です。今日は愛妻の日みたいです。みなさんも愛する人に花を買って、定時に帰ってみてはいかがですか。