あるBarでの一場面
先日、オフィスの近くにあるBarに少しお酒を飲もうと立ち寄った時のことです。店内は美味しいお酒と美味しい料理を食べている客で賑わっていました。このお店は、カウンターとテーブルが設置されていて、テーブル席は団体の客が利用します。
このテーブル席に7人の団体が座っていました。そして、会社の同僚同士で女性の誕生会を開催していました。お店に入る前に店長にバースデーケーキを手渡していたのでしょう、お食事が一段落したところで、その席の男性が店長に「ケーキ出して。」と伝えました。店長は忙しい中ホールケーキにロウソクをたて、客席にホールケーキを持っていきます。お誕生日の女性がロウソクの火を消したところで、店長はホールケーキをカットするためケーキをキッチンに引き上げ、ホールケーキのカットにとりかかります。このケーキはイチゴのケーキです。イチゴの盛り付けに凝っているケーキで、細くスライスしたイチゴがケーキの表面の1/6に偏って飾ってあります。盛り付けは綺麗なケーキですが、いざホールケーキをカットするとイチゴが有る部分とイチゴが無い部分に分かれてしまったため、店長は細くスライスされたイチゴをカットされたケーキに均等に振り分けます。少し、見栄えが悪いと感じた店長は、お店のイチゴを追加してカットされたケーキを綺麗に作り上げていきます。
その時です、「ケーキ出して。」といった男性から「カットしたケーキ早く出して」と声がかかります。店長がケーキをキッチンに引き上げてから時間にして3分も経っていません。カットされたケーキを綺麗に作り上げている店長を見ていた私は、よくこんな無神経なことが言えるな、と怒りをおぼえました。
しかし、店長は一言「申し訳ございません、すぐお出しいたします。」といって、何か文句言うわけでも、態度に出すわけでもなく淡々と仕事を続けました。
店長としては、自分の行っているホスピタリティを認めて欲しい、という気持ちも当然あったでしょう。しかし、それ以上に自分の都合を客に押し付けてはいけないという意識を強く持っていたのでしょう。
保育現場でも、園児や園児の保護者と接するときに、自分の都合を押し付けたくないものですね。