野村克也さんがお亡くなりになりました
野村克也さんが、2月11日に84歳の生涯を終えました。
選手としても一流、監督としても一流、解説者としても一流、著者としても一流、講師としても一流という万能なかたでした。
私のセミナーの随所でも引用いたしておりますし、著作はおそらく全部拝読していると思います。そのくらい私の考え方や生き方、物事の考え方に影響を与えてくださった方です。
直接、指導を受けたりしていないけれども、その人物の作品を見たり、読んだりして自分自身で一方的に師事することを「私淑」といいますが、まさに野村克也さんは、私が私淑した方でした。
私はプロ野球を観るのが好きで、年間20試合くらいは球場に観に行っているのですが、野球の観方も野村さんの著作から学びました。
私なりに野村克也さんが、なぜ、すべての面において一流になれたのかを考察しますと、自分ができないことを克服してできるようにしていったからではないかと思います。
プロ野球に入ったときも長嶋茂雄さんのようにスター選手として入ったわけではなく、入団の1年後にはクビを宣告されます。そこを何でもするからと球団に泣きつき、一軍に上がり、レギュラーを勝ち取り、スター選手の仲間入りをする活躍をします。
そのすべての面で「工夫」があります。
試行錯誤して、できるまでやる。周りが認めるまで努力する。できるまで工夫し続ける。その連続なのです。
そして、選手を引退してからは、指導者として、自分が克服してきたやりかたを惜しげもなく、若い選手たちに理論的に教え、育て、勝利に導いています。
そういう野村さんの姿勢をみていると、自分が悩みぬいて成果を出さないと、他人に教えるようなことはできないのだと思います。そして、それを自分自身に置き換えると、会社の代表として毎日悩みぬいているか、安易に妥協していないかという疑問と向き合うことになります。
野村克也さん亡き今、自分を叱咤してくれる著作は新たには出てこないので、これまでの著作を繰り返し読みながら、会社の代表としての覚悟を固めていこうと思います。
野村さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。