危機管理には消極策と積極策がある
危機管理や危機対応には、積極策と消極策があります。たとえば、園児を巡る事故やトラブルに関して、能動的に説明会を開いて対応するのが、積極策。あえて保護者をそっとしておく消極策があります。
積極策が消極策に勝るというわけではありません。局面によって打つ手が異なるということなのです。
ここで大切なのは、策を講じている側が、自分たちが今、打っている手は積極策なのか、消極策なのかを理解したうえで行動し、効果を期待することです。
さて、今、新型コロナ対策として、日本社会の大都市で行われている「緊急事態宣言」にともなう行動変容ですが、これは消極策です。
今は、人と人との接触機会を(8割程度)減らし、感染者数を減少させる。という対策です。ある程度の感染者は仕方ないけど、そのピークとなる患者数を医療の枠内にとどめることによって、一気に医療機関に患者が集中し、医療崩壊を防ぐというものです。
残念ながら、これは新型コロナウイルスを封じ込めましょう。という積極策ではありません。感染者数が大津波となって、医療現場に押し寄せることを防ぎましょうということです。
新型コロナウイルスに対する積極策は、特効薬で感染者を次々に治療したり、予防ワクチンを全国民に接種させることによって、インフルエンザと同じようにすることです。でも、これには、薬やワクチンの開発などにまだまだ時間がかかります。
つまり、新型コロナウイルスに対する積極策は、打ちたくても打てないのが現状なのです。
今は、積極策が打てるようになるまでの時間稼ぎのような対策です。その出口もまだ見えてこない状況です。
私も働けないストレスに日々、悩まされていますが、みなさんも気長に消極策で戦っていきましょう。