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他の園も悩んでいます!

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 最近、弊社に問い合わせが殺到している相談は、園児、園児の保護者、園の職員等の園関係者が新型コロナウイルスに感染している疑いが生じてしまった場合または感染してしまった場合に、どのように対応すればいいですか?という相談です。

 まず、園の関係者が新型コロナウイルスに感染している疑いが生じてしまった場合の対応方法です。新型コロナウイルスに感染している疑いがある場合とは、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触をした場合と、医療機関により新型コロナウイルスの疑いがあると診断された場合です。

 新型コロナウイルスに感染している疑いがある園関係者は、14日間自宅待機してもらうようにしてください。仮にPCR検査の結果陰性であったとしても14日間の自宅待機をしてもらってください。PCR検査は約30%の確率で陽性を陰性と判断してしまうからです。

 新型コロナウイルスの疑いがあった場合、全保護者にその旨を報告する必要はありません。園には説明責任があるから全保護者に説明したほうが良いのではないか?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、園関係者が新型コロナウイルスに感染している疑いがあると不明確なことを保護者に説明した場合、園に登園を続けている園児の保護者はいたずらに不安をあおられはするけれども、園児を登園させることを辞めません。説明責任とは結果に影響をあたえる場合にのみ果たせば十分で、何でもかんでも説明すれば免罪符がもらえるというものではございません。園関係者が新型コロナウイルスに感染している疑いがあるということに関して園に説明責任はないのです。

 もしかしたら、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるのであれば、自分の子どもを預けなかったという保護者の方もいらっしゃるかもしれません。このような保護者に対応するためには、事前に、新型コロナウイルスが全国的に感染拡大しているなか、園では園児を安全にお預かりすることはできないことをお伝えする必要があります。園で園児を安全にお預かりできない理由は、保育施設は密閉、密集、密接の三つの「密」を避けることが困難な施設だからです。この点を事前に説明することによって、園に園児を登園させている保護者は、仕事と自分の子どもの安全をはかりにかけたうえで仕事を優先するという判断をしているわけですから、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるのであれば、自分の子どもを預けなかったという言い分は通らなくなるわけです。

 以上のことから、園では園児を安全にお預かりすることができないことを全保護者の方に予め説明するようにしておいてください。

 その他にやるべきことは、保育課や保健所等の行政と情報の共有をはかってください。

 園の関係者が新型コロナウイルスに感染している疑いの段階から、感染していることが判明してしまった場合は、全保護者に園の関係者が新型コロナウイルスに感染したこと、感染者が園に滞在していたと想定される日時、必要に応じて医療機関の診断をしていただくこと等を、極力人と人との接点がないように(例えば、メール等)報告し、行政と園を閉めることについての話し合いを進めていくことになります。

 新型コロナウイルスは未知のウイルスです。そのためどのように対応していけばいいのか、不安に思ってしまうかもしれませんが、園として最悪な事態を想定し、やるべきことを明確にしておけば、浮き足立つことなく対応できると思います。

2020.04.15