新型コロナウイルス第1ステージ終了
本日、緊急事態が39県で解除されました。それらの件では、徐々に日常が戻ってくると思います。しかし、8都道府県では、もう少し、がまんが続きそうです。
でも、一応、新型コロナウイルスとの攻防戦第1ステージが終了といってもいいのではないでしょうか。このあと、第〇ステージまであるのかはわかりませんが、とりあえず、第1波は収束です。
さて、ここで第1ステージを危機管理の面から検証してみたいと思います。政治や行政、マスコミのみなさんがやってきたことを見ていて、私が最も受けている印象は、「言葉不足」です。
首相は何を言っているかわからないし、専門家は専門用語の羅列で何が問題なのかも伝わらないし、都知事は何でも英語にすれば対策だとお考えのようですし、危機感をあおるだけのマスコミからは特に役に立つ情報は得られませんでした。
その中でも気になった言葉を取り上げて解説してみましょう。
GW前に各地の県庁職員らが一生懸命に言ってた「今は〇〇県に来ないでください」というメッセージ。何も響きませんし、その県を仕事で通過せざるを得ないドライバーが見ても気を悪くすると思います。「コロナが終わったら、あの県の温泉に行こうかなー」とは思わないでしょう。
今回の自粛要請で圧倒的なダメージが出ているのは、ホテルや旅館、飲食業の方々です。緊急事態を脱したら、少しでも早く、少しでも多くのお客様にお越しいただこうと準備していると思います。しかし、道路には「今は〇〇県に来ないでください」のセンスのかけらもないメッセージです。これでは、観光業の方々に「早めに倒産手続きに入れ」と行政が言っているようなものです。
では、どのようなメッセージを発信すればいいのか?これはリスクコミュニケーションの分野に入ると考えられる問題なのですが、その答えは、東京でセミナーを開催できるようになったら、「新型コロナに関する危機管理セミナー」でお話いたしますので、ご興味のある方は、ぜひ、お越しください。
今回のコロナ危機で、私は、改めて危機管理とは、「言葉」だと認識いたしました。なぜなら、人を動かすのは「言葉」だからです。どのような言葉を、どのようなタイミングで、誰が、何で、どのように伝えるかが、すべてなのです。
それらのことが危機管理に携わる方々がまったくできていなかった。というのが、私の感想です。現在の日本社会でもっとも不要不急なのは、テレビのワイドショーだと初めて実感しましたし、「新しい生活様式」という言葉もまったく人を動かさないセンスのない言葉だと思いました。
とにもかくにも、第1ステージ終了です。第2ステージはいつから始まり、いつ終わるのか、そのあとの第3ステージは・・・と考えても仕方がありません。今は、少しばかりの自由を満喫しましょう。
来週からは、園内研修の依頼がいくつか入ってきました(園の方が工夫をしてくださって、大部分の方々は映像で見たいただく形式なのですが・・・)。アイギスも日常を取り戻しつつあります。1日も早く、直接、みなさんに危機管理の講演ができる日を心待ちにしながら、本日も準備に精進いたします。
このブログを読んでくださっているみなさま方も、どうぞご自愛ください。