保育施設の出口戦略
新型コロナウイルスにおいて「出口戦略」という言葉が多用されるようになってきました。日本社会も新型コロナウイルスと共存しながら通常の社会活動を取り戻そうとしているのでしょう。保育施設も通常の活動を取り戻していくことでしょう。
最近弊社に寄せられるご相談で増えている内容が、厚生労働省から発表されている「新しい生活様式」をどのように園内で取り入れていけばいいのか?というものです。同様の悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?そして、この問題は、保育施設が通常の活動を取り戻すうえで考えなければならない点です。そのため今回のブログではこの点について解説いたします。
「新しい生活様式」の中に「人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。」というものがあります。
この項目に関係して園児同士の接触の多い保育活動は避けた方がいいですか?という質問をいただきます。特定の保育活動を取り出してこの保育活動は園児同士の接触が多い少ないと考えることに意味はありません。なぜならば、1日の保育の中で園児同士の接触がない保育内容など無いからです。保育施設で働いている皆様なら園児同士の接触がない保育内容がない、ということはすぐに納得していただけることでしょう。
そのため、そもそも園児同士の距離を常に最低1m空けて保育することが可能かどうかを考えなければなりません。園児同士の距離を常に最低1m空けて保育することができる、という保育施設は園児同士の距離を常に最低1m空けて保育してください。ただ、多くの保育施設はそんなことはできないと考えているのではないでしょうか?私も園児同士の距離を常に最低1m空けて保育することはできなと思います。園児たちを集団で預かる保育施設において、園児に「お友達の1m以内に近づいちゃいけないよ」というお約束を浸透させることは不可能ですし、職員がこのお約束事を園児に徹底する場合、虐待に近い方法で園児達に教育指導せざるを得なくなります。
以上のことから、園児同士の接触の多い保育活動は避けた方がいいですか?というご質問に関する解答は、「そのような必要はありません、今までどおりの保育を続けてください」となります。ただし、感染症対策として一番大切なうがい手洗いの徹底はお忘れないようにしてください。
「一日1個のりんごで医者いらず」という言葉がありますが、あるお医者さまが「うがい手洗いを徹底されたら医者は廃業だよ」と冗談のように言っていることを聞いたことがあります。新型コロナ対策として目新しい事に取り組むよりも基本的なことから取り組んでみてください