リーダーに必要なものとは・・・
孫子の兵法の中に次のような一説があります。
「敵の10倍の兵力があれば敵を包囲する。5倍であれば攻撃し、2倍であれば敵を分断して戦う。同等の兵力なら最善を尽くして戦い、こちらの兵力が少ないなら引き上げ、敵の兵力が大きい場合は隠れる。兵力が少ないのに強気なのは敵の餌食になるので注意しなければならない」
敵の10倍の兵力があれば、敵を包囲し、篭城している敵が餓死するのを待てば、こちらは1兵卒も失わずに勝てるからそうしなさい。という戦略です。
緊急事態宣言下での「STAY HOME」とは、篭城戦略です。つまり、備蓄が枯渇すれば「GAME OVER」です。だから、無限に家に閉じこもることはできず、どこかのタイミングで外にリスクがあったとしても打って出なければなりません。
緊急事態宣言が解除された最初の週末、内閣の閣僚から聞こえてきた声は、「気の緩み」という言葉です。まるで、外出することが非難されているように聞こえます。
リーダーにとって必要なものとは、ネガティブな想定とポジティブな言葉を持つことだと私は考えています。だから、私も緊急事態宣言下でセミナーがどんどんキャンセルされ、計画していた売上がどんどん減っていっても、とにかく明るい言葉や態度でスタッフに接するようにしました。
しかし、頭の中では常に最悪のこと(会社の資金繰りができなくなるようなこと)は想定し、それに向けた準備はしています。
緊急事態宣言が緩和されたり、取り消されたりして、「大阪に外出することは気の緩みとは違う」でも、リスクがあることは常に頭に入れてマスクをしたり、人との距離をとって気をつけてください。と発言したのは、大阪府の吉村知事です。すばらしいメッセージだと思います。元気が出ます。
国から出るものは、ポジティブに考えて、ネガティブに話をする。決定も遅い。マスクが市中にあふれて、値崩れし始めても、「アベノマスク」は届かない。約500億円もかけたのに・・・。さらに追い銭を払って、不良品のチェックもしているのに・・・。
リーダーがネガティブに考えるのは当たり前。でも、それをそのまま口に出すのは組織の士気に関わります。これから、私たちは生きるために経済活動を再開しなければなりません。城から打って出なければなりません。
そういう状況でリーダーができることは、ポジティブな言葉で背中を押して差し上げること。最前線でリーダーも一緒になって戦うこと。ではないでしょうか。
子どもの学費も支払い終えた。家のローンも家賃負担もない。夫婦の老後資金も心配しなくていい額が蓄えられている。あとは、ワクチンか特効薬が開発されるのまで「STAY HOME」していればいいなんて人たちは、ごくごくわずかです。
「働かざる者、食うべからず」の通り、これからはコロナと立ち向かって戦い、自分たちの生活は自分たちで守っていかなければならないステージになっていると思います。
今、リーダーの方は、覚悟を持って組織を前に進めて行きましょう。今、組織の一員の方は、自分の人生を託すことができるリーダーを探して、ついて行きましょう。