事故・トラブル最前線

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今、忘れてはいけないこと!!

今、忘れてはいけないこと!!

 6月を迎え、日本社会も新型コロナウイルスと共存しながら通常の社会活動を取り戻そうとしています。保育施設にも園児さんが戻ってくることでしょう。

 園児さんが保育施設に戻ってくるということは嬉しいことですね。また、園児さん達の笑顔や笑い声が戻ってきます。この時期に、忘れてはいけないことは新型コロナウイルス対策だけではありません。園児さんが多数保育施設に戻ってくるということは残念ながら事故の発生確率が上昇するということです。そのため、園児さんの安全対策も忘れないようにしてください。

 そのため、今回のブログでは基本に立ち戻って危機管理とは何なのかを解説いたします。

 まず、はじめに保育施設の危機管理とは事故の発生確率を0%にすることではありません。保育施設においては園児を多数預かっています。つまり、集団保育をしているわけです。集団保育をしているのであれば残念ながら防げない事故もあります。

 保育施設における危機管理とは、園内で事故が発生した場合に仕方がなかった事故だったと評価してもらえるように、事前に事故防止に取り組むことです。

 ではどのような事故防止に取り組めばいいのでしょうか?闇雲に危機管理の文献を読み込めばいいのでしょうか?危機管理の文献を読み込むことの効果を否定はしませんが、保育施設で働いているのであれば、もっと身近に最も有効な情報が残っています。それは、園内で起きた事故事例です。事故報告書という形で園内に残っているのではないでしょうか?ここで注意していただきたいことは、事故報告書にヒヤリハット報告書は含まれないということです。ヒヤリハット報告書は実際には事故は起きていないわけですから、事故報告書とはいえません。

 事故報告書が残っているのであれば、その事故の結果の検証をしているのかを確認してみてください。結果の検証とは事故が起きてしまったから良くない結果だったというものではありません。なぜならば、集団保育をしている以上、事故は発生してしまうものだからです。結果の検証のためには、以下の2点を確認する必要があります。

 ①事前に当該事故を防止するためのルールが園内にあったのか?

 ②当該事故を防止するためのルールがあったのであれば、そのルールが保育現場で実行できていたのか?

 ①②どちらも「Yes」の場合は、起きてしまっても仕方がなかった事故と評価できます。①②どちらかが「No」の場合、起きてしまっても仕方がなかった事故とは評価されません。

 ①でルールが無かった場合は、ルールを作成してください。②が実行できていない場合はルールを職員と共有しなおしてください。また、①で既存のルールがあったとしても、必要があれば新たなルールを作成してください。この行程が結果の検証です。この行程を繰り返すことで、園内の事故発生確率は減少いたします。そして、万が一、事故が起きてしまったとしても、その事故は集団保育である以上、仕方がなかった事故だったと評価されます。

 

 園内の事故事例の結果の検証を行っていない状況で事故が発生してしまったら、当該事故は起こるべきして起きた事故だと評価されてしまいます。つまり、園内の危機管理は機能していなかったと評価されてしまいます。アイギスでは危機管理に関して多数のノウハウが蓄積されています。何かございましたらアイギスにお問い合わせください。

2020.06.03