新しい社会を作るためには信念がなにより重要である
先日、「42~世界を変えた男~」という映画を久しぶりに見返しました。1度見たときには、ただただ感動しただけでしたが、今、見ると違ったものが見えてきました。
これは、メジャーリーグ初の黒人プレイヤーであるジャッキー・ロビンソンの半生を描いた作品なのですが、当時は南北戦争の影響がまだ残っており、黒人差別が色濃く残っていました。
そんな中で黒人初のメジャーリーグプレイヤーとして実績を残し、周囲に認めさせたロビンソンは、精神力だけでなく、能力も技術力も突出していたことは間違いと思います。
でも、黒人プレイヤーを初めて採用しようと決め、貫き通したブルックリン・ドジャースのオーナーの信念に今回は心を打たれました。
オーナーは白人なので、そのようなことはする必要もなく、現状を維持するだけでも大変だし、それはそれで良いと思うのですが、このオーナーは球団やリーグの未来や社会のことまで考えて、あえて「ファーストペンギン」になりました。
今、日本社会では、「東京から来る人は遠慮してほしい」「東京に行くのは控えてほしい」という東京差別が横行しています。
でも、社会はどこかでつながっているので、「東京」を除外すること=感染症予防にはあまり効果はないと考えられます。
政府の「GO TO」キャンペーンも東京は除外。今、大阪や愛知でも感染者は増加傾向にありますが、大阪も除外、名古屋も除外、京都も札幌も博多もという風に除外されていくのが目に見えます。
何を目的とし、どのような信念のもと政策を打ち出しているのかわかりませんが、ブルックリン・ドジャースのオーナーの信念に比べたら脆弱すぎると思います。
今、企業もCMにちょっとクレームがついたらやめる。商品にクレームが来たらやめる。企画段階からそのくらいのクレームが来るくらいの想定ができているとは思うのですが、実際にクレームが来たらやめる。つまり、信念がまったくないのです。
現在、新型コロナウイルス感染者は、どんどん増えています。しかし、重症患者や死亡者は第1波のときに比べるとでていないように思えます。
新型コロナウイルス感染者(軽症者)が出て、一度、社会から離脱して治療し、また戻っていく。というのが「ウィズコロナ」だと思います。
新型コロナウイルスと共存する。とは、自分を見失わないように生活していく。ということではないでしょうか。周囲の圧力や偏見に左右されることなく、自分らしく生きていくということが大切なことだと思います。
ジャッキー・ロビンソンは、「他人の人生に影響を与えられない人生なんて意味はない」という言葉を残しています。
存在しない他人の目を気にしてびくびく生きるよりも、他人や社会に少しでも貢献する生き方を忘れないようにすることこそが、今、大切なのだと思います。