事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

最近気になること

人の行く裏に道あり花の山

人の行く裏に道あり花の山

 株式投資の格言といえば、何をおいてもまず出てくるのが、この言葉である。投資家は、とかく群集心理で動きがちだ。いわゆる付和雷同である。が、それでは大きな成功は得られない。むしろ他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと説いている。

 大勢に順応すれば、確かに危険は少ないし、事なかれ主義で何事によらず逆らわないのが世渡りの平均像とすれば、この格言、多分にアマノジャク精神に満ちている。だが、人生の成功者は誰もやらないことを黙々とやってきた人たちであり、欧米では「リッチマンになりたければ孤独に耐えろ」と教えるのが通例。人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られないというわけだ。(日本証券業協会)

 今、新型コロナウイルスの流行が第2波の真っ只中にあります。それもピークを超え、順調に感染者の数は減り始めました。

 先日のお盆でも帰省を自粛した方々が大勢いました。東京都の人口は2%しか減らなかったそうです。町中にはマスクをした人であふれ、アルコール消毒はもうすでに新しい日常になりました。

 「同調圧力」という言葉で説明が完了するような集団行動が町中にあふれかえっています。

 第1波のときの行動も第2波の行動も変えず、いろいろなものをなるべく自粛している方々と、第2波ではもう自粛できずに普段どおりの行動を再開している方々がいます。

 普段どおりの行動に戻した方々は、第1波のときの自粛の影響で経済的に行き詰った方々が多数だと思います。大型店舗なども営業時間は短縮しているものの、ずっと閉店という状況ではなくなりました。

 各県知事の言葉も空回りし、国のリーダーは体調不良で入院していました。最初からそうだったのですが、結局のところ、自分の身は自分で守らなければならないのです。

 同志社大学の調査では、日本人がマスクを着ける動機は、感染が怖いからでも他の人を守るためでもなく、「みんなが着けているから」という動機が最も多かったそうです。

 目的のない行動ほど効果を生み出さないものはありません。第2波も終わりに向けて走り出した今、みなさん個人(組織)は何のために、どのような行動をするのかを、一度、考えてみてはいかがでしょうか。

 同調圧力に流されるだけでは、何か大切なものを失うと思います。流れに逆らうことも重要なときがあるのです。

2020.08.28