リーダーにとってのNG言葉
先日、面白いコラムをネットで読みました。
「社長が口にしたら3日でつぶれる3つの『菅首相用語』」というコラムです。
①「仮定のことについては、私からは答えは控えさせていただきたい」
②「引き続き緊張感を持って、事態を注視していきたい」
③「一日も早く収束させ、安心して暮らせる日常を取り戻すために全力を尽くします」
この3つの言葉なのですが、これは、私も納得しましたし、こんなことを言っているから、今のような状態になるのだということがよくわかります。
たとえば、銀座に飲みに行って、離党届を3人の議員が持ってきて、それを受理した後、党の他の議員から、「次に同じような議員が出てきたらどうしましょうか?」と対策を前もって打っておいた方がいいのではないか。という意見が出てきたとします。
それに対して、①の「仮定のことに対しては、答えられない」と党首が答えるので、今回のような同様のケースが出てくるのです。
危機管理上もリーダーとは、常に仮定のこと(特に悪い方)を考える役割にあります。それを自ら拒否しているのですから、事態は改善するはずがありません。
②の「引き続き緊張感を持って、事態を注視していく」」というのは、自ら主導権を拒否し、ただ見ているだけで、具体的な対策も手段も打ち出さないというイメージになります。
消極的なリーダーは、組織の構成メンバーをただただ不安にさせるだけです。
③の「一日も早く収束させ、安心して暮らせる日常を取り戻すために全力を尽くします」という言葉も他人事のように聞こえます。
たとえば、園で重大事故が発生したときに、保護者向けの説明会で園長がこの言葉を発したとします。その瞬間に保護者からは怒号が飛び交うか、あきれてものも言えない状況になるでしょう。
重大事故が発生したときは、主体的に原因をできるだけ早く究明し、具体的な再発防止策を実施することです。それが伝わるような言葉ではないところが問題です。
みなさまもリーダーの役割を担っているときには、ご自身の言葉にはくれぐれもお気をつけください。